POINT見どころ

オーチャードホールが贈る吹奏楽コラボレーション
名指導者と若き楽団の初共演!

あなたの周りには、吹奏楽をやっている、またはやったことがある、という人が何人いるだろうか?全国の中学校、高校の多くにある吹奏楽部、そして数多くのアマチュア吹奏楽団。演奏したことはないが、吹奏楽ならではの楽しいサウンドや迫力が好き!という人も多く、日本には驚くほどの吹奏楽愛好家がいるのだ。そんな熱い吹奏楽界に向けて贈るオーチャードホールの新シリーズが、『オーチャードブラス!』。新しい驚きのあるコラボレーションを目指して第1弾が12月に開催される。

 記念すべき第1回に登場するのは、藤重佳久×ぱんだウインドオーケストラ。
藤重佳久といえば、福岡県の精華女子高等学校吹奏楽部を長年吹奏楽シーンの頂点に率い、昨年は赴任1年目にして長崎県の活水中学校・高等学校吹奏楽部を全日本吹奏楽コンクールの舞台に導いたことで話題をさらった、カリスマ指導者だ。
 その藤重がオーチャードホールを舞台にタッグを組むのは、東京藝術大学出身者を中心に結成され、全員が20代というフレッシュな楽団、ぱんだウインドオーケストラ。コンサートマスターには若手ナンバーワンの実力を誇るサックス奏者、上野耕平を擁し、その他にも期待の若手演奏家がひしめく大注目の楽団だ。ユニークな楽団名は、結成と同じ年に上野動物園にやってきた「ぱんだ」からということにも自由な若さが溢れている。

©Mahaya Takara

 取り上げる楽曲は、C.T.スミスの3部作とも言われる、「華麗なる舞曲」「ルイ・ブルジョアの讃美歌による変奏曲」「フェスティバル・バリエーション」、P.スパークの「宇宙の音楽」、真島俊夫「シーガル」ほか。いずれも観客が熱狂する要素満載の人気曲であるが、特に昨年、ミズーリ州カンザスシティにあるスミスの実家を訪れ、彼の音楽を研究し尽くした藤重と、若き精鋭が集う吹奏楽団との化学反応で生まれる〈究極のスミス作品の世界〉が見どころだ。既に双方のレパートリーのひとつとして高い評価を受けている「宇宙の音楽」が、このコラボレーションでどのような音楽に昇華されるのかにも期待が高まる。さらに、上野耕平の珠玉のサクソフォン・ソロに期待が高まる「シーガル」も聴き逃せない。
そこに集うオーディエンスのボルテージがどこまで上昇するのかも、今から楽しみなのである。

OUTLINE公演概要

曲目・演目

C.T.スミス:華麗なる舞曲
C.T.スミス:ルイ・ブルジョアの讃美歌による変奏曲(※14:00公演のみ)
C.T.スミス:フェスティバル・バリエーション(※19:00公演のみ)
真島俊夫:五月の風
真島俊夫:シーガル
P.スパーク:ウィークエンド・イン・ニューヨーク
P.スパーク:宇宙の音楽

出演

藤重佳久(指揮/活水女子大学 音楽学部 教授)
ぱんだウインドオーケストラ