Storyストーリー


紀元前1世紀、エジプトの首都アレクサンドリア。絶世の美女と誉れ高いクレオパトラは、父王プトレマイオス12世亡き後、200年以上にわたるこの王朝の慣例に則り、弟のプトレマイオス13世と結婚、共同で王位に就いていた。とはいえプトレマイオスはまだ少年。事実上、実権を握っているのはクレオパトラだ。王としての教育を受けながらも子供気分が抜けないプトレマイオスに、後見人である廷臣たちは自覚を芽生えさせる。そして姉の政治介入を嫌う弟とその一派は、クレオパトラを排除しようとしていた。
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そんな折、共和制のローマで三頭政治を形成していたカエサルとポンペイウスの間に戦争が起こる。カエサルに敗れてエジプトに逃げ込んできたポンペイウスをクレオパトラは介抱する。男たちの心を虜にしてやまない彼女の美しさにポンペイウスもまた魅了される。だが、弟一派はポンペイウスを暗殺。そして自分をも殺害しようとする弟たちからクレオパトラは逃れる。
王位を奪われたクレオパトラだが、自らの魔性の美貌が男たちの心を捕らえるだけでなく、政治の武器とさえなることを、彼女は誰よりも知っていた。ポンペイウスを追ってアレクサンドリアにやって来たカエサルに、クレオパトラは王位奪還の協力を得るため直訴しようと画策する。弟たちに悟られずカエサルに会うため、クレオパトラはその身を絨毯にくるみ、貢物を献上するという口実で彼の前に姿を現す。聡明で美しく、目的のためには危険も厭わないクレオパトラに、カエサルは瞬く間に心奪われる。クレオパトラは王位を再び手中に収め、カエサルへの反撃に出た弟プトレマイオスは命を落とす。
カエサルがローマの最高権力者となり、彼との間に子をもうけたクレオパトラは、エジプトのファラオとしてのみならず、我が子がやがてローマを治める野望をも抱き、まさに絶頂期を迎える。だが、幸せは長くは続かなかった。腹心ブルータスらによるカエサルの暗殺、カエサル亡き後のローマで実権を握ることとなったアントニウスとの恋、我こそはカエサルの正統後継者であると主張するオクタヴィアヌスとの決戦……
そして激動の人生を生き抜いたクレオパトラに、最期の時が訪れる――。