エトワール・ガラ2016

Point

今夏、世界のバレエ・シーンを牽引する12名が究極の美を競う!
パリでも実現しえない豪華共演がここに―。

©James Bort

17世紀に創設され、300年以上という世界最古の歴史を誇るパリ・オペラ座バレエ、その頂点に君臨するダンサーは〝エトワール〞と呼ばれる。彼らはダンスの技術や芸術性だけでなく容姿や人間性なども吟味され選抜され、舞台に絶対的な輝きをもたらす存在なのである。
 『エトワール・ガラ』がスタートしたのは2005年。実は当時は、ほとんどのメンバーがエトワールの前の階級であるプルミエ・ダンスールであった。そこで、〝エトワール〞という称号への憧れや「必ずや自分も…」という熱い想いから、公演を『エトワール・ガラ』と名付けたのだ。その後公演を重ねるうちに一人、また一人と夢を実現していき、今や彼らはこぞってオペラ座を代表するエトワールに。公演も広く国内外のファンに知られる人気公演へとなり、今回でなんと5回目を迎える。
 公演のアーティスティック・オーガナイザーを務めるのはバンジャマン・ペッシュ。『エトワール・ガラ』をここまで大きく成長させた彼だが、去る2月20日にオペラ座に別れを告げたばかり。今回の〝エトガラ〞は、間違いなく彼の集大成のひとつとなるだろう。おなじみのメンバーに加え、昨年末に行われたオペラ座の昇進コンクールで、プルミエ・ダンスールに昇格したばかりの新星ユーゴ・マルシャンの初参加も決定。次期エトワールとの呼び声が高い若きスターも加わり、期待が高まる。
 演目にはパリ・オペラ座の〝伝統といま〞を満喫できる多彩なラインナップが並んだ。プティ振付「病める薔薇」、ヌレエフ振付「ロミオとジュリエット」などオペラ座に縁が深い振付家の作品、オペラ座バレエのお家芸といわれる「グラン・パ・クラシック」 などオペラ座の伝統を彩る作品で、脈々と踊り継がれるエスプリが堪能できるはず。本拠地パリでも希少な作品や豪華共演が実現する『エトワール・ガラ』、バレエ・ファン必見の公演だ。

©Hidemi Seto

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Program

オペラ座の“伝統といま”を味わい尽くす夢のプログラム!

5回目を迎える今回は、まさにパリ・オペラ座の“伝統といま”を堪能できるラインナップが揃った。
まずはオペラ座の伝統を彩ってきた輝く作品の数々に注目したい。古典の代名詞でありながら超絶技巧が散りばめられたヌレエフ版『くるみ割り人形』には、ボラックとルーヴェという次世代の新星2人が挑戦する。そして『ロミオとジュリエット』は3つの重要なパ・ド・ドゥをそれぞれ異なるキャストで贈るという豪華な上演で、大スターアルビッソンとガニオはもちろん、煌めく若手ダンサーにも注目したい。パリの上演でも“圧倒的な存在感のジュリエット”と評されたボラック、“極めて完全なダンサー”と呼び声の高いマルシャン、“夢見るような外見をもち、究極のエレガンスを感じさせる”とまで評価を受けるルーヴェら新鋭が大役にどう挑むのか期待がふくらむ。そのほかにもフランスの巨匠プティの『ランデヴー』、オペラ座バレエのお家芸といわれる『グラン・パ・クラシック』とフランスのエスプリが凝縮されたまばゆい作品が並ぶ。一方、英国バレエの歴史を語るうえで不可欠な巨匠マクミランによる『三人姉妹』や、ロイヤル・バレエの常任振付家を務めるマクレガー振付『感覚の解剖学』、世界中からオファーが殺到しているスカーレットによる『With a Chance of Rain』などイギリスに縁が深い振付家の作品にオペラ座のダンサーがどうアプローチするのか興味は尽きない。ハンブルク・バレエ組が上演する作品も彩り鮮やか。ノイマイヤーの傑作『人魚姫』のほか、ボァディンによる振付『Sanzaru』、大石裕香による『See』など、若手振付家の作品にアッツォーニとリアブコが挑戦する。世界中のファンが嫉妬するプログラムを、ぜひお見逃しなく!

☆=Aプログラム ★=Bプログラム

Aプログラム

  • 『瀕死の白鳥』

    振付:ミハイル・フォーキン
    音楽:カミーユ・サン=サーンス
    出演:ドロテ・ジルベール

  • 『グラン・パ・クラシック』

    振付:ヴィクトル・グゾフスキー
    音楽:フランソワ・オーベール
    出演:ローラ・エケ&ジェルマン・ルーヴェ

  • 『シンデレラ・ストーリー』

    振付:ジョン・ノイマイヤー
    音楽:セルゲイ・プロコフィエフ
    出演:シルヴィア・アッツォーニ&アレクサンドル・リアブコ

  • 『クローサー』*日本初演

    振付:バンジャマン・ミルピエ
    音楽:フィリップ・グラス
    出演:エレオノラ・アバニャート&オードリック・ベザール
    ピアノ:久山亮子

  • 『三人姉妹』

    振付:ケネス・マクミラン
    音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
    出演:アマンディーヌ・アルビッソン&オードリック・ベザール
    ピアノ:久山亮子

  • 『カラヴァッジョ』

    振付:マウロ・ビゴンゼッティ
    音楽:ブルーノ・モレッティ(クラウディオ・モンテヴェルディの原曲に基づく)
    出演:レオノール・ボラック&マチュー・ガニオ

  • 『くるみ割り人形』より

    振付:ルドルフ・ヌレエフ
    音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
    出演:レオノール・ボラック&ジェルマン・ルーヴェ

  • 『チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ』

    振付:ジョージ・バランシン
    音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
    出演:ドロテ・ジルベール&ユーゴ・マルシャン

  • 『感覚の解剖学』

    振付:ウェイン・マクレガー
    音楽:マーク=アンソニー・タネジ
    出演:ローラ・エケ&ユーゴ・マルシャン

  • 『スターバト・マーテル』

    振付:バンジャマン・ペッシュ
    音楽:アントニオ・ヴィヴァルディ
    出演:エレオノラ・アバニャート&バンジャマン・ペッシュ

  • 『ル・パルク』より“解放のパ・ド・ドゥ”

    振付: アンジュラン・プレルジョカージュ
    音楽:ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
    出演:エレオノラ・アバニャート&バンジャマン・ペッシュ

  • 『Sanzaru』*日本初演

    振付 : ティアゴ・ボァディン
    音楽:フィリップ・グラス
    出演:シルヴィア・アッツォーニ&アレクサンドル・リアブコ

  • 『アザーダンス』

    振付:ジェローム・ロビンズ
    音楽:フレデリック・ショパン
    出演:アマンディーヌ・アルビッソン&マチュー・ガニオ
    ピアノ:久山亮子

Bプログラム

  • 『それでも地球は回る』 *女性版世界初演

    振付:ジョルジオ・マンチーニ
    音楽:アントニオ・ヴィヴァルディ
    出演:アマンディーヌ・アルビッソン

  • 『病める薔薇』

    振付:ローラン・プティ
    音楽:グスタフ・マーラー
    出演:エレオノラ・アバニャート&オードリック・ベザール

  • 『With a Chance of Rain』*日本初演

    振付:リアム・スカーレット
    音楽:セルゲイ・ラフマニノフ
    出演:ローラ・エケ&オードリック・ベザール、ドロテ・ジルベール&マチュー・ガニオ
    ピアノ:久山亮子

  • 『ラ・シルフィード』より

    振付:オーギュスト・ブルノンヴィル
    音楽:ヘルマン・レーヴェンショルド
    出演:レオノール・ボラック&ジェルマン・ルーヴェ

  • 『See』*日本初演

    振付:大石裕香
    音楽:アルヴォ・ペルト
    出演:シルヴィア・アッツォーニ&アレクサンドル・リアブコ

  • 『人魚姫』

    振付:ジョン・ノイマイヤー
    音楽:レーラ・アウエルバッハ
    出演:シルヴィア・アッツォーニ&アレクサンドル・リアブコ

  • 『ランデヴー』

    振付:ローラン・プティ
    音楽:ジョゼフ・コスマ
    出演:アマンディーヌ・アルビッソン&バンジャマン・ペッシュ

  • 『ロミオとジュリエット』
    第1幕より“マドリガル” “バルコニーのパ・ド・ドゥ”
    第3幕より“寝室のパ・ド・ドゥ”

    振付:ルドルフ・ヌレエフ
    音楽:セルゲイ・プロコフィエフ
    出演:レオノール・ボラック&ジェルマン・ルーヴェ(マドリガル)、ドロテ・ジルベール&ユーゴ・マルシャン(バルコニーのパ・ド・ドゥ)アマンディーヌ・アルビッソン&マチュー・ガニオ(寝室のパ・ド・ドゥ)

  • 『シルヴィア パ・ド・ドゥ』

    振付:ジョージ・バランシン
    音楽:レオ・ドリーブ
    出演:ローラ・エケ&ユーゴ・マルシャン

  • 『ル・パルク』より“解放のパ・ド・ドゥ”

    振付: アンジュラン・プレルジョカージュ
    音楽:ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
    出演:エレオノラ・アバニャート&バンジャマン・ペッシュ

※上演順での記載ではございません。
※ピアノ演奏者の記載のない演目は録音を使用いたします。
※表記の出演者・演目は2016年7月22日現在の予定です。

Cast and Profile

パリ・オペラ座バレエ

Eleonora ABBAGNATO エレオノラ・アバニャート <エトワール>

華やかな美貌と情感あふれる踊りが魅力の演技派ダンサー!
  • 78年イタリア・シシリア島生まれ。モナコ・プリンセス・グレース・ダンス・ アカデミーを経て、92年パリ・オペラ座バレエ学校に入学。96年パリ・オペラ座バレエ入団。01年2月プルミエール・ダンスーズ昇格。2013年プティ振付『カルメン』を踊り、エトワールに任命される。現代的な容姿と感性を持ち、現代の人気振付家から支持されている。プルミエール・ダンスーズ時代から主演も多く、ノイマイヤー振付『椿姫』『シルヴィア』、ヌレエフ版『くるみ割り人形』『ドン・キホーテ』『白鳥の湖』、クルベリ振付『令嬢ジュリー』、マクミラン振付『マノン』、ミルピエ振付『ダフニスとクロエ』、フォーサイス振付『アプロキシメート・ソナタ』など多くの作品に主演。とくにプティ作品のレパートリーは広く『プルースト――失われた時を求めて』『ノートル・ダム・ド・パリ』『カルメン』『アルルの女』『ランデヴー』など多くの作品に主演している、世界各地でのゲスト出演も多く、故国のイタリア、ミラノ・スカラ座を始め、ニューヨーク・メトロポリタン・オペラ『21世紀のスター・ガラ』、ボリショイ・バレエなどに招聘されている。ゴージャスな容姿と演技的アプローチは、とくに現代作品などで高く評価されている。2015年4月、祖国イタリアで、ローマ歌劇場バレエの芸術監督に就任し、精力的に活動している。

Amandine ALBISSON アマンディーヌ・アルビッソン <エトワール>

フランス・バレエの美しき継承者として高い評価をうける若手エトワール!
  • 1989年マルセイユ生まれ。4歳でバレエをはじめる。1999年、パリ・オペラ座バレエ学校入学。カンヌやワシントンでのバレエ学校公演に参加。バランシン振付『ディヴェルティメント』、ベジャール振付『ドン・ジョバンニ』でソリスト役を踊るほか、在学中からバレエ団の『くるみ割り人形』『白鳥の湖』『ラ・バヤデール』などにも出演。2006年、17歳でパリ・オペラ座バレエに入団。2009年コリフェに、2010年スジェに昇格。2014年1月にプルミエール・ダンスーズに昇格、その2ヵ月後の2014年3月5日、クランコ振付『オネーギン』のタチアナ役を踊り、エトワールに任命された。ラコット版『ラ・シルフィード』『パキータ』のタイトル・ロール、ヌレエフ版『眠れる森の美女』のオーロラ姫などの古典作品のほか、ミルピエ振付『ダフニスとクロエ』のクロエ、プティ振付『アルルの女』のヴィヴェット、『ノートル・ダム・ド・パリ』のエスメラルダ、ニジンスキー版『牧神の午後』のニンフ、バランシン振付『アポロ』、フォーサイス振付『イン・ザ・ミドル・サムホワット・エレヴェイテッド』、リファール振付『白の組曲』、ランダ―振付『エチュード』などで主要な役を踊っている。2009年カルポー賞、2013年AROP賞受賞。フランス・バレエの美を継承する若手エトワールとして大きな期待が寄せられているエトワールの一人。

Dorothée GILBERT ドロテ・ジルベール <エトワール>

強靭な技術と存在感で確固たる人気を誇るゴージャスなプリマ!
  • 83年、トゥルーズ生まれ。90年よりトゥルーズのコンセルヴァトワールで学び、95年パリ・オペラ座バレエ学校に入学。00年パリ・オペラ座バレエに入団。03年AROP賞、04年、オペラ座の優秀な若いダンサーに与えられるカルポー賞受賞など賞歴も数多い。07年11月19日『くるみ割り人形』上演後にエトワールに任命される。ヌレエフ版『ラ・バヤデール』『ドン・キホーテ』『白鳥の湖』『ライモンダ』『ロミオとジュリエット』、ラコット版『パキータ』などクラシック作品の他、プティ振付『プルースト――失われた時を求めて』、アシュトン振付『ラ・フィユ・マル・ガルデ』、クランコ振付『オネーギン』、マクミラン振付『マノン』などで主演を務める。またバランシン振付『ジュエルズ』、ノイマイヤー振付『大地の歌』、ロビンズ振付『コンサート』、マクレガー振付『感覚の解剖学』など現代作品のレパートリーも数多い。世界各地のガラ、フェスティバルへの出演も多く、日本では『ルグリと輝ける仲間たち』などに出演。『エトワール・ガラ』は3回目の参加となる。映像やファッション誌などでも精力的に活動しており、新書館より発売中のDVD『パリ・オペラ座エトワールのバレエ・レッスン』<上巻/下巻>に制作出演するほか、ピアジェのアンバサダーを務めるなどファッション業界でも注目を集める存在。

Laura HECQUET ローラ・エケ <エトワール>

最もフレッシュなエトワールは、凜としたクール・ビューティーが魅力!
  • 2000年、パリ国立コンセルヴァトワールを首席で卒業し、オペラ座バレエ学校へ入学。2002年、18歳でパリ・オペラ座バレエに入団。2004年にコリフェへ、2005年にスジェに昇格。2006年にオペラ座の優秀な若手ダンサーに与えられるAROP賞とカルポー賞を受賞。15年3月ヌレエフ版『白鳥の湖』のオデット/オディールを踊りエトワールに任命される。 ヌレエフ版『眠れる森の美女』のオーロラ姫、ラコット版『パキータ』のタイトル・ロール、バール振付『泉』のヌーレッダのほか、『ジゼル』のミルタ、ヌレエフ版『ラ・バヤデール』のガムザッティ、ヌレエフ版『ドン・キホーテ』の森の女王、ヌレエフ版『ロミオとジュリエット』のロザライン、ヌレエフ版『白鳥の湖』のパ・ド・トロワ、大きな4羽の白鳥、マルティネス振付『天井桟敷の人々』のバレリーナ、ノイマイヤー振付『椿姫』のマノン、『大地の歌』『マーラー交響曲第3番』、リファール振付『白の組曲』、バランシン振付『セレナーデ』『水晶宮』、ロビンズ振付『ダンシズ・アット・ア・ギャザリング』のソリスト役など、多くの重要な役を演じている。2013年12月にはヌレエフ版『眠れる森の美女』のオーロラ姫が高く評価され、ブノワ賞にノミネートされている。美しい脚のラインとクールビューティーは古典作品にも新しい息吹をもたらす。崇高な美をまとう彼女は、フレッシュなエトワールとして目が離せない。

Benjamin PECH バンジャマン・ペッシュ <エトワール>

強烈な個性をもち舞台にスパイスをもたらす稀有な存在!
  • 74年フランス・ベジエール生まれ。8歳よりジャズ・ダンスを学び、10歳からバレエをはじめる。86年パリ・オペラ座バレエ学校入学。92年パリ・オペラ座バレエに入団。92年パリ国際バレエ・コンクール決勝進出、94年第1回マイヤ・プリセツカヤ国際バレエ・コンクールでグランプリと第1位金賞を獲得し、国際的に脚光を浴びる。05年9月22日、オペラ座上海公演で『アルルの女』『ジゼル』上演後エトワールに任命される。バール版『コッペリア』のフランツとコッペリウス、ヌレエフ版『白鳥の湖』の王子とロットバルト、『くるみ割り人形』のドロッセルマイヤーと王子、『ジゼル』、フォーキン振付『ペトルーシュカ』、ノイマイヤー振付『椿姫』、プティ振付『クラヴィーゴ』『若者と死』『ランデヴー』『プルースト――失われた時を求めて』、クランコ振付『オネーギン』、ラコット版『パキータ』、ロビンズ『インザ・ナイト』、プレルジョカージュ振付『ル・パルク』の主演、など古典作品から個性的な役柄まで魅力的に踊りこなす柔軟さと、音楽性に優れた踊りは多くの振付家の信頼を得ており、レパートリーは幅広い。『エトワール・ガラ』では2005年の初回よりアーティスティック・オーガナイザーとしても活躍している。キャスティング、演目構成などその巧みなプロデュース・センスをみせてきた。2016年2月20日、24年間踊ったオペラ座にアデュー(引退)を告げたばかりである。

Mathieu GANIO マチュー・ガニオ <エトワール>

長い四肢に美しい容姿、非の打ち所のないオペラ座のプリンス!
  • 1984年フランス・マルセイユ生まれ。92年マルセイユ国立バレエ学校、99年パリ・オペラ座バレエ学校入学。01年17歳で、パリ・オペラ座バレエに入団。
    04年5月20日ヌレエフ版『ドン・キホーテ』上演後、スジェから飛び級でエトワールに任命される。飛び級でのエトワール昇格は母ドミニク・カルフーニ、マニュエル・ルグリ、ローラン・イレール以来、至上4人目という快挙。2005年ブノワ賞受賞。
    オペラ座ではヌレエフ版『眠れる森の美女』『白鳥の湖』『ロミオとジュリエット』『眠れる森の美女』『くるみ割り人形』『シンデレラ』、ラコット版『ラ・シルフィード』『パキータ』、リファール振付『白の組曲』、ランダ―振付『エチュード』、ベジャール振付『これが死か?』『火の鳥』、バランシン振付『ジュエルズ』エメラルド/ダイアモンド、『アポロ』『アゴン』、プティ振付『プルースト――または失われた時を求めて』、ロビンズ振付『ダンセズ・アット・ア・ギャザリング』、ノイマイヤー振付『椿姫』『マーラー交響曲第3番』、クランコ振付『オネーギン』、マルティネス振付『天井桟敷の人々』、アシュトン振付『ラ・フィユ・マル・ガルデ』、マクミラン振付『マノン』、など新作の初演を含めた数多くの全幕作品に主演。
    20世紀を代表する世界的ダンサー、ドミニク・カルフーニとデニス・ガニオを両親に持つサラブレットである彼だが、その恵まれた容姿だけでなく、端正な技術、役柄への真摯な追求心で絶大な人気を得ている。

Léonore Baulac レオノール・ボラック <プルミエール・ダンスーズ>

  • フランス、パリ生まれ。2005年パリ・オペラ座バレエ学校に入学。2008年パリ・オペラ座バレエ入団。2014年コリフェに、2015年スジェに昇格、その1年後には、エトワールに次ぐプルミエ・ダンスーズに瞬く間に昇格を遂げている。2014年AROP賞受賞。 バレリーナとして理想的ともいえる愛らしい容姿と抜群の存在感を持つ彼女はすでに、ヌレエフ版『くるみ割り人形』のクララ、『ロミオとジュリエット』のジュリエット、ラコット版『パキータ』のタイトルロールなど既に大作の主役を務めている。また現代的な強い技術も魅力の一つで、マクレガー振付『Alea Sands』、フォーサイス振付『イン・ザ・ミドル・サムホワッド・エレヴェイテッド』、ノイマイヤー振付『大地の歌』『椿姫』などでも主要な役を務める。去る5月に上演されたヌレエフ版『ロミオとジュリエット』では、「理想的な外見と、情熱的なヒロインたちが持つ偽りの脆さを備え、圧倒的な存在感と豊かな表情のジュリエット」(ダンスマガジン2016年6月号)と評されたオペラ座でいま最も輝くプリンセスである。

Audric BEZARD オードリック・ベザール <プルミエ・ダンスール>

精密かつダイナミックな踊りで、パリ・オペラ座でも多くの主演に抜擢!
  • 3歳よりジャズ・ダンスを、8歳よりクラシック・バレエをはじめる。1994年パリ・オペラ座バレエ学校へ入学。2000年、18歳でパリ・オペラ座バレエへ入団する。13年プルミエ・ダンスールに昇格。長身を生かした存在感ある踊りが魅力で、これまでヌレエフ版『眠れる森の美女』のデジレ王子、『白鳥の湖』のジークフリード王子、ベジャール振付『春の祭典』、プティ振付『狼』『プルースト――失われた時を求めて』のタイトル・ロールなどの主役や、『ドン・キホーテ』のエスパーダ、『ジゼル』のヒラリオン、クランコ振付『オネーギン』のレンスキー、プティ振付『カルメン』のエスカミーリョ、『ノートル・ダム・ド・パリ』のフロロなど主要な役を踊っている。現代作品でもマクレガー振付『感覚の解剖学』、エック振付『ベルナルダの家』、ル・リッシュ振付『カリギュラ』、フォーサイス振付『イン・ザ・ミドル・サムホワッド・エレヴェイテッド』、ノイマイヤー振付『大地の歌』、ロビンズ振付『ダンセズ・アット・ア・ギャザリング』などで主要な役を踊っている。08年にカルポー賞を受賞。早くから、あのマニュエル・ルグリに才能を買われ、フランス派の“正確さ”を受け継ぐそのダンスに高い評価を得ている。

Hugo MARCHAND ユーゴ・マルシャン <プルミエ・ダンスール>

正確なテクニックと華やかな存在感は若手一番の注目株!
  • 9歳でバレエを始める。2007年、13歳でパリ・オペラ座バレエ学校に入学し、エリック・カミヨ、ジャック・ナモンなどに師事。17歳でパリ・オペラ座バレエに入団。2015年11月に22歳でプルミエ・ダンスールに昇進した。ヌレエフ版古典作品から、アシュトン、バランシン、ロビンズ、フォーサイス、マクレガーなど幅広い作品で主要な役を務めている。2014年、ヌレエフ版『くるみ割り人形』のドロッセルマイヤー/王子役を踊るほか、15年はマクレガー振付『感覚の解剖学』のリーディング・ロール、ドロテ・ジルベールを相手にマクミラン振付『マノン』のデ・グリュー役、ヌレエフ版『ラ・バヤデール』のソロル役で主演するなど目覚ましい活躍を見せた。今シーズンもマリ=アニエス・ジローとロビンズ振付『ゴルトベルク変奏曲』を踊るほか、ミルピエ振付『La Nuit s’achève』などで主要な役を踊っている。また、16年4月にはヌレエフ版『ロミオとジュリエット』のロミオ主演デビューが決定している。海外での舞台経験も多く、マリ=アニエス・ジローとマリインスキー・バレエ・フェスティバルに出演するほか、ボリショイ劇場で行われたブノワ賞のガラに、ドロテ・ジルベールと出演している。 14年ヴァルナ国際バレエコンクール銅賞、15年オペラ座の優秀な若手に贈られるカルポー賞受賞。16年にはAROP賞を受賞するほか、『ラ・バヤデール』のソロル役で、ブノワ賞にノミネートされている。

Germain LOUVET ジェルマン・ルーヴェ <スジェ>

  • フランス、ブルゴーニュ生まれ。4歳でバレエを始め、2005年パリ・オペラ座バレエ学校に入学。2011年18歳で年パリ・オペラ座バレエに入団。2013年カルポー賞受賞。2014年にコリフェ、2015年にスジェに昇格。その美しい体型と詩的な佇まいは早くから注目をあつめ、ヌレエフ版『くるみ割り人形』の王子/ドロッセルマイヤー、『ロミオとジュリエット』のロミオほか、ラコット版『パキータ』のパ・ド・トロワ、ヌレエフ版『白鳥の湖』のパ・ド・トロワなど主要な役に抜擢されている。振付家からの期待も厚く、ウィールドン振付『ポリフォニア』、ミルピエ振付『Clear, Loud, Bright, Forward』などの創作でも活躍。「夢のような外見に、全ての分野において際立った技術を持つ」(ダンスマガジン2016年7月号)と形容されるオペラ座期待の若手ダンスール・ノーブルである。

ハンブルク・バレエ

Silvia AZZONI シルヴィア・アッツォーニ <プリンシパル>

巨匠ノイマイヤーを魅了する音楽性と表現力はまるで女優!
  • 73年、イタリア・トリノ生まれ。トリノのバレエ学校を経て、91年ハンブルク・バレエ・スクール入学。93年ハンブルク・バレエに入団し、96年にソリスト、01年にプリンシパルに任命される。ノイマイヤー振付『ロミオとジュリエット』『ダフニスとクロエ』『椿姫』『シルヴィア』『幻想――白鳥の湖のように』などのドラマティックなヒロイン役はもちろん、エック振付『眠れる森の美女』、アシュトン振付『ラ・フィユ・マル・ガルデ』、ロビンズ振付『コンサート』、クランコ振付『オネーギン』、エック版『眠れる森の美女』、ラコット版『ラ・シルフィード』、リギンズ版『ナポリ』、ロビンズ振付『コンサート』『ダンセズ・アット・ア・ギャザリング』『牧神の午後』、キリアン振付『ベラ・フィギュラ』など幅広いレパートリーを持つ。ノイマイヤーからの信頼は絶大で、『ニジンスキー』『プレリュードCV』、『クリスマス・オラトリオ』『ヴェニスに死す』『冬の旅』『人魚姫』など数多くの初演に抜擢され、ノイマイヤーのほとんどの作品に主演している。近年はブベニチェク、トス、ウィールドン、大石裕香など若手振付家の創作作品への出演も数多い。これまで、ロイヤル・バレエ『ラ・バヤデール』でのニキヤ役でゲスト出演するなど、世界各国でのゲスト出演も数多い。日本ではハンブルク・バレエの来日公演のほか、『世界バレエ・フェスティバル』などに出演。2008年には『人魚姫』で第16回ブノワ賞最優秀女性ダンサー賞を受賞している。「エトワール・ガラ」には2005年の第1回から参加。ノイマイヤーお墨付きの演技力と華奢な身体から生み出されるチャーミングなダンスは観る者を惹きつけて離さない。

Alexandre RIABKO アレクサンドル・リアブコ <プリンシパル>

感情を言葉よりも雄弁に、研ぎ澄まされた身体で表現し尽くす!
  • 78年ウクライナ・キエフ生まれ。キエフ・バレエ学校、ハンブルグ・バレエ学校で学ぶ。ローザンヌ国際バレエ・コンクール、ファイナリスト。96年にハンブルグ・バレエに入団。99年ソリスト、01年プリンシパルに昇格。同年、ヴィルヘルム・オーバーデルファー博士賞を受賞。ノイマイヤー作品の主なレパートリーにノイマイヤー『オテロ』『真夏の夜の夢』『シンデレラ・ストーリー』『椿姫』『マタイ受難曲』『ニジンスキー』『幻想――白鳥の湖のように』『お気に召すまま』『ヨゼフの伝説』『ハムレット』『くるみ割り人形』『スプリング・アンド・フォール』『シルヴィア』『マーラー交響曲第3番』『デジール』など。またノイマイヤーは彼のために『プレリュードCV』のサーシャ、『ヴェニスに死す』のアッシェンバッハのコンセプト、『エリザベスに』のパ・ド・ドゥ、『ヨンダリング』『メサイア』『冬の旅』などでソロを創っている。 マカロワ版『ラ・バヤデール』、アシュトン版『ラ・フィユ・マル・ガル・デ』、ラコット版『ラ・シルフィード』、バランシン振付『放蕩息子』『ジュエルズ』、クランコ振付『オネーギン』ウィールドン振付『ポリフォニア』、シェルカウイ振付『トリオ』など世界中の振付家の作品をレパートリーに持つ。カナダ・ナショナル・バレエでノイマイヤー振付『ニジンスキー』に主演するなどゲスト出演も数多い。マニュエル・ルグリ、ウラジーミル・マラーホフ、アレッサンドラ・フェリが率いるガラなど、世界中のガラ公演に出演しており、日本での舞台も数多い。

Photos by James Bort

Ryoko HISAYAMA 久山亮子 <パリ・オペラ座バレエ 専属ピアニスト>

©Julien Benhamou/OnP

パリ・オペラ座バレエ専属ピアニスト
  • 東京生まれ。4歳でピアノを始める。井上直幸にピアノを師事し、パリ・エコール・ノルマル音楽院でジュルメール・ムニエに、その後パリ国立高等音楽ジェラール・フレミーとジャック・ルヴイエの各氏の元で学ぶ。1999年ドイツ・ドルトムントのシューベルト・コンクールなど数々の国際コンクールに入賞。フランス各地(サントンジュ、ピエールフォン、オルセー美術館、サル・コルトーなど)およびドイツ、イタリア、日本、米国、メキシコにてコンサートを行う。2007年よりパリ・オペラ座バレエのピアニストとして活躍。