シンデレラ

Point見どころ

劇場をかつてない驚きと感動で満たした美しき魔法の世界―
熊川哲也が生んだ至高のファンタジー

 幕が開いたその瞬間から観客を夢の世界へと連れ去る神秘に満ちた空間、よく知るはずのストーリーを新鮮かつ豊潤に輝かせる活きたキャラクター造形、そして何度見ても心をわし掴みされずにはいられない、あまりにも美しい魔法の数々――。2012年、熊川哲也のBunkamuraオーチャードホール芸術監督就任記念として世界初演を果たし、この上ないときめきと感動を与えてきた至高のファンタジー、それが『シンデレラ』。本公演では、浅川紫織、白石あゆ美、宮尾俊太郎、遅沢佑介というおなじみのキャストに加え、中村祥子がシンデレラを本邦初披露。またバレエジェンツでも活躍中の若手新鋭・栗山廉は昨年の『白鳥の湖』に続き2度目の全幕主演に挑む!

Storyストーリー

 シンデレラは意地悪な継母と義姉たちに疎んじられ、召使いのようにこき使われる毎日を送っている。一人きりになれるひと時、亡き実母の形見を手に取り、幸せな日々を懐かしく思い起こすシンデレラ。ほどなくして訪ねてきた物乞いの老女を、心優しいシンデレラはこっそり部屋に招き入れ、水やパンを差し出す。頬に触れた老女の手のぬくもりに、シンデレラはどこか懐かしさを感じる。
 継母と義姉たちがいそいそと舞踏会に出掛けていく。取り残されたシンデレラの前に先ほどの老女が現れ、瞬く間に美しい仙女へと変身する。驚くシンデレラに仙女は魔法を見せる。花瓶に生けた一輪のバラ、庭の樹にとまったトンボ、テーブルの上のキャンドル、ティーカップが妖精となって踊り出したのだ。そして、「あなたを舞踏会に行かせてあげましょう」と今度はシンデレラに魔法をかける。異次元の世界へと送られた彼女は、やがて美しいドレスに身を包んで姿を現す。「魔法が解ける真夜中の12時までに必ず戻ってくるのよ」と仙女。シンデレラはかぼちゃの馬車に乗り、星々に導かれて宮殿へと向かう…。

Castキャスト

photographs: Jin Kimoto/ Shunki Ogawa/ Hidemi Seto/ Bettina Stoess