INTRODUCTION

最強ビッグバンドがNYフィルの名奏者ジョゼフ・アレッシを迎えて再びオーチャードのステージへ!!

日本が世界に誇る音楽家、小曽根真。その彼をして「独特の特別感がある」と言わしめるコンサート、「クリスマス・ジャズナイト」が今年も開催される。
「最近はホールでのジャズ・コンサートがめっきり減ってきました。けれどやっぱり大きな会場のワクワク感というのは特別。それを裏切らないように、ここでは毎回ただ演奏するだけではない"ショー"を目指しています。今年で9回目。長く続けさせていただいている分、怖いコンサートでもあります。少しでも手を抜くとすぐバレちゃうから(笑)」 そんな小曽根が今回プレゼントしてくれるのが、自身のビッグバンド「No Name Horses」を率いてのモーツァルトとガーシュウィン。とりわけ前者のピアノ協奏曲第9番「ジュノム」は、彼がビッグバンド用に編曲したヴァージョンで、日本では初演となる。
「モーツァルトとビッグバンドをどこでミートさせるか、特に冒頭部分を決めるのに2年半かかってしまったのですが、そのあとは一気に書き上げました。第1楽章はモダン・スイング、第2楽章はタンゴ、そして第3楽章はビバップ&ディキシー… これまでどこにもなかった音楽になったと思います」
もう一つ、"神様"と称されるNYフィルの首席トロンボーン奏者、ジョゼフ・アレッシがバンドのメンバーとして参加するのも今回の大トピックだ。
「NYフィルのアジア・ツアーで意気投合し、機会があればいっしょに、と話していたんです。今回ダメ元でお願いしたら、年末の忙しいシーズンにもかかわらず来てくれることになって。彼をフィーチャーしたナンバーも用意しますので期待してください」
最後に、コンサートの聴きどころをきいた。「どこでもドアで、ザルツブルクとニューヨークを行き来するような感覚を味わっていただきたいですね。あと、ビッグバンドには男の艶っぽさのようなものがあるんです。そのサウンドでモーツァルトを聴くアンバランス感。とにかく、かしこまって聴くんじゃなくて楽しんでください!」

文:藤本史昭

おススメポイント!

今年のクリスマス・ジャズナイトは、待ちに待ったビッグバンド! No Name Horsesはオーチャードでは5年振りの登場となるのに加え、NYフィル首席トロンボーン奏者ジョゼフ・アレッシがスペシャルゲストとして初参加するという超プレミアムがついたコンサート。アレッシと小曽根のセッションはもちろん、アレッシがNNHのメンバーの一員となり本公演だけの特別編成で演奏されることも見どころの一つ。ビッグバンドの楽しさを体感できること間違いない。