ブラス・ヘキサゴン 森博文氏(ホルン)&辻本憲一氏(トランペット)インタビュー

ヘキサゴンはモーターショーのコンセプトカー
若い人たちをインスパイアする刺激を与えたい
 
 
ブラス・ヘキサゴンのメンバーで、東京フィルの各首席奏者でもあるホルンの森博文氏とトランペットの辻本憲一氏に話を聞いた。
 
小学5年生でホルンをはじめ、6年生の卒業時にはモーツァルトの協奏曲を吹いたという森は、中学時代に「一番燃えていた」吹奏楽部生活をおくる。全校生徒700人のうち150人がブラバンだというから、そのレベルの高さは容易に想像がつく。
 
一方、音楽だけが苦手で、その成績を伸ばそうと吹奏楽部に入った辻本は、そこですっかりはハマッてしまい、中学2年生の時には「音楽の道に進む」決意をした。少人数だったせいか、ゆっくりと個性を磨き、高校では全日本アンサンブルコンテストで金賞を獲得。
 
このように生い立ちの全く異なる2人の名手が、今はブラス・ヘキサゴンという金管六重奏のメンバーとして、吹奏楽をする子どもたちの憧れの的である。
 
ところが、アンサンブル・コンテストでは、30年前と変わらぬ曲を演奏しているのが現状。あまりにレパートリーが少なくて、無理があるという。ヘキサゴンは、三枝成彰をはじめとする作曲家にオリジナル作品を委嘱し、録音するとともに、楽譜も出版した。
「新しいレパートリーに挑戦して、アンサンブルをもっと楽しんでほしい」。

 

ヘキサゴンは「モーターショーでいえば、コンセプトカー」と森は言う。
「若い人たちをインスパイアする刺激を与えたい。そこから、新しいものにスパークする子どもが出てくるはずだ」。
将来への期待と強い使命感を担っている。
 
渋谷ブラスフェスタは、まさにブラスで「はじける」お祭りだ。
クラシック音楽の伝統を超え、これまで以上に「パフォーマーとしてアピールしていきたい」と辻本も熱く語る。
 
21世紀のコンサートのあり方、その新しい可能性をヘキサゴンの名手たちも模索し挑戦し続けている。

 

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