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稽古場レポート
清水邦夫の名作『タンゴ・冬の終わりに』は、1984年に日本初演され、86年の再演を経て、1991年にイギリスのエディンバラのキングス・シアターで上演後、ロンドンのウエストエンドのピカデリー劇場で約2ヶ月間上演された。日本の現代劇が、演出家を始めスタッフ陣は日本人、英国人の演技陣というコラボレーションで上演されたことはまさに画期的だった。さらに、主役には、映画「ハリー・ポッター」シリーズでもお馴染みの、イギリス屈指の演技派アラン・リックマンが、蜷川自らがロンドンで行ったオーディションで選ばれた。

イギリスでの公演から10年以上の時を経て、まさに‘幻の名作’と語り継がれ、再演が待ち望まれていた本作。今回、主役、清村盛に堤 真一、妻ぎんに秋山菜津子、昔の俳優仲間であり、恋人でもあった名和水尾に常盤貴子、その夫連に段田安則。さらに、蜷川演出には欠かせない存在ともいえる沢竜二、品川徹、毬谷友子、高橋洋、月川悠貴、また文学座のベテラン新橋耐子といった多彩な顔ぶれが揃い、満を持しての上演となる。

日本海に面した町の古びた映画館。清村盛は有名な俳優だったが、3年前に突然引退して、妻ぎんとともに生まれ故郷の弟が経営する映画館でひっそりと暮らしている。そこへ、昔の俳優仲間であった名和水尾と彼女の夫、連がやってくる。かつて盛と水尾は激しい恋に燃えていた。訪れた水尾が見たのは、すっかり狂気にとりつかれてしまった男の姿だった…。

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