1920年代〜30年代にかけてヨーロッパを席巻したアール・デコの時代を代表する女流画家タマラ・ド・レンピッカ(1898〜1980年)。タマラは、ワルシャワの良家に生まれ、ロシアで思春期を過ごし、18歳で弁護士と結婚。しかし、翌年のロシア革命を機にパリへ亡命、時代に翻弄されながらも女性の自由な生き方を実践し、狂気の時代とも呼ばれた1920年代のパリで独特の作風により、画家として一躍注目されました。やがて第二次世界大戦の脅威の中、アメリカに亡命し、その後時代とともに次第に忘れさられていきました。そして70年代に再評価され、1980年に82歳でその劇的な人生を終えました。本展はタマラ・ド・レンピッカの個性的な作品と、その波乱万丈な人生を、その時代背景とともに辿ります。
タマラ・ド・レンピッカ 《緑の服の女》 1930年 油彩・合板 ポンピドゥーセンター蔵 ©2010 Tamara Art Heritage Licensed by MMI Photo Collection Centre Pompidou, Dist. RMN/Droits réservés/distributed by DNPartcom ADAGP & SPDA
ドイツ国境に程近い、フランス・アルザス地方の中心地にあるストラスブール美術館では、古い時代の作品から近現代に至る名品を所蔵しています。本展覧会では、その所蔵作品により、身近な自然の風景の中に美しさを見出した19世紀前半のバルビゾン派のコローから、19世紀末の印象派のモネやシスレー、20世紀のデュフィやピカソに至る“風景画”の流れをテーマに分けて紹介します。また、日本に今まで紹介されることがなかったアルザス地方の画家とその風景に出会う機会ともなることでしょう。
アルフレッド・シスレー《家のある風景》1873年 油彩・キャンヴァス
16世紀ネーデルラントの巨匠ピーテル・ブリューゲル(1525/30-69)は日本人にもっとも愛されている画家の一人です。ブリューゲルの作品は諺、子供の遊び、庶民の祭りやスポーツとともに、人間のさまざまな弱点や愚行を諷刺とユーモア精神で寓意的に表現しています。またブリューゲルの描いた世界にはヨーロッパの庶民文化の“ルーツ”が見られ、わたしたちは彼の作品から知られざるヨーロッパの心の故郷に接し、親しむことができるでしょう。 本展覧会は、ベルギー王立図書館の全面的な協力のもと、ブリューゲルだけでなく、同時代の版画も合わせて約150点を展示し、「ブリューゲル新・再発見」を楽しんでいただける構成となっています。
ピーテル・ブリューゲル《大きな魚は小さな魚を食う》1557年 銅版画 ©KBR
19世紀の半ば、風景や農村の情景を主題とし、戸外で制作するという新しい志向を持った画家たちは、都市の喧騒を離れて自然の中へと移り住み、ヨーロッパ各地に芸術家村(コロニー)を生み出しました。 ベルギーでは、ゲント市にほど近いシント・マルテンス・ラーテムと呼ばれるのどかな村に、フランダース各地の芸術家たちが移り住み、ベルギーのアート・シーンにおいて、質の高い独自の芸術を展開させていきました。ラーテムに集った芸術家たちは、他の芸術家村の画家たちに見られるように、何らかの思想を表明しようという強い意志を持っていたというよりも、自然や農民たちとの親密な交わり、また芸術家同士の固い絆を通して、この地に心の平和を見出していました。豊かな自然と共存しながら、フランダースの田園風景やそこに住む人々の姿を独自の視点で描き出すかれらの作品は、何よりもゆったりとした時間の流れによって観る者に心の安らぎを与えてくれることでしょう。
エミール・クラウス《刈草干し》1896年 個人蔵
パリの北東、約80キロに位置する村ジヴェルニーは、印象派の巨匠クロード・モネが半生を送り多くの名作を残した地として知られています。モネがここに住みだした1883年当時は、まだ300人ほどの住民が暮らす村でした。その後、パリから適度に離れたこの典型的なフランスの田舎は、他の画家たちも注目するようになり、またモネの成功も手伝って、第一次世界大戦が始まるころまでの間に、「芸術家村」へと発展しました。 そのなかには、セザンヌ、ボナールなどのフランスの画家、そしてイギリスや他のヨーロッパの画家の他に、日本からも児島虎次郎ら数名の画家がジヴェルニーを訪れた記録が残っています。しかし全体の70%以上を占めていたのはアメリカ人の画家でした。 本展では、ジヴェルニーの地でモネが追い求めたいくつかのテーマを軸に、アメリカの画家たちによって制作された作品をあわせて展示することで、ジヴェルニーの芸術村の全貌を紹介していきます。それはまた、日本ではまだ知られていない多くの才能の発見にも繋がることでしょう。
クロード・モネ 《積み藁(日没)》 1891年 油彩、キャンヴァス ボストン美術館蔵 © 2009 Museum of Fine Arts, Boston
This exhibition is held in partnership with the Terra Foundation for American Art, the primary lender.
※展覧会名・会期・内容等は変更になる場合があります。
開催期間中無休 開館時間 10:00〜19:00 (毎週金・土曜日は21:00まで)
※入館は各閉館の30分前まで ※団体は20名様以上で、電話でのご予約をお願い致します。 Bunkamura ザ・ミュージアム 03-3477-9413