ベルギー奇想の系譜 ボスからマグリット、ヤン・ファーブルまでベルギー奇想の系譜 ボスからマグリット、ヤン・ファーブルまで

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2017.12.07 UP

音声ガイドナレーター・安田 顕さんにインタビュー!


Q.今回、音声ガイドナレーターに挑戦した感想を教えて下さい。

 

「ルドルフ2世の驚異の世界展」を企画した方々の思いが、いただいた音声ガイドの原稿に溢れていたので、とにかく音声ガイドを聞いてくれる方々にその思いと作品を深く知るための情報がすっと入ってくるようなガイドになるといいなと思いながら、収録に臨みました。

 

Q.収録を終えて、興味をもった作品や実際に見てみたい作品などはありましたか?

 

どれも興味深いんですが、ルーラント・サーフェリーの《橋のあるチロルの山岳風景》ですかね。僕、審美眼がないというか、あの作品を見た瞬間「あれ、これつまんない絵だな」と思ったんです。
でも、プラハ城の奥に引きこもって、なかなか人前にはでてこなかったといわれていたルドルフ2世が、風景さえもコレクションしたくなり、サ―フェリーに自分の代わりに旅をさせて風景画を描かせた。その風景を見て、城に居ながら旅した気分を味わっていたのかもしれない…という内容の音声ガイド原稿を読んだときに、とても印象に残る絵に変わったんですよね。その時の状況が想像できて、すごく心に残っています。

 

あと、天文道具の《航海用アストロラーベ》なども面白かったです。展示されているものを見ることで、その時代だったり、それを使った人たちに対して思いを馳せることができるというのはすごく意味のあることだと思います。

同じ時間を過ごすんだったら、こういう展覧会に足を運んで芸術に触れる方が昼間っからお酒飲んでるよりよっぽどいいですよ!笑

 

Q.ルドルフ2世は動物から天文道具まで、ありとあらゆるものをコレクションしていたと言われていますが、安田さんは何かコレクションしているものなどはありますか?

 

ビートルズが好きなので、ビートルズのものを見てしまうと思わず買っちゃいます。かといって、それを飾るわけでもなく、ただ手元に置いておきたいという感じですね。ステレオ版が出たら買う、モノラル版が出たら買う…。つい曲は一緒なんだけど、ちょっと違うとか。そういうものにそそられてつい手に入れたくなってしまいますね。(笑)

 

Q.最後に展覧会をご覧になられる方にメッセージをお願いします!

 

僕はすごく有意義な時間を、音声ガイドのお仕事で体験することができました。

どちらでもいいと思うんです。お散歩して公園を歩く、大好きな人と一緒に時間を過ごす、神社やお寺に行く…何でもいいと思うんです。実際に自分の目で見て肌で感じるというのもすごく大切なことだと思うんです。

この「ルドルフ2世の驚異の世界展」は確実に、見る人がそれぞれ自分の五感で感じるものがあると思います。

音声ガイドを聞きながら会場を回ることで、人間が創ってきた、守ってきた遺産というものをさらに感じることができると思います。

有意義な時間を過ごせると思いますので、みなさんぜひ展覧会にお越しください!

ペーテル・グルンデル《卓上天文時計》1576-1600年、真鍮、鋼、スコークロステル城、スウェーデン Skokloster Castle, Sweden