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レオナール・フジタ展 ― ポーラ美術館コレクションを中心に

2013/8/10(土)-10/14(月・祝)

Bunkamuraザ・ミュージアム

展覧会のみどころ

職人技!これは油彩画?まるで肌そのもの

「やわらかい、押せばへこむような皮膚を通し画のもっとも重大な条件である『質』」を描くことを課題としたフジタは、女性の肌の表現に適した乳白色の絵画下地に、細い墨の輪郭線を描くスタイルを確立させた。最新の科学調査により、その下地にベビー・パウダーが使用されていた可能性が高まった。その素材の秘密に迫る。

エコール・ド・パリの寵児

1920年代のパリには、国外から多くの画家が集まり、その中から「エコール・ド・パリ」が誕生。モディリアーニ、パスキン、キスリングなどフジタの周辺の画家たちの作品と較べてみることで、フジタの「乳白色」の絵画がパリ画壇で異彩を放っていたことが分かる。

これはタイル?アトリエの壁一面を埋めつくした<小さな職人たち>

15センチメートル四方のファイバーボードに描かれた作品を、パリのアトリエの壁一杯に飾ったフジタ。「左官」「指物師」などの職人や、かつてパリの路上でみられた「馬車の御者」「ガラス売り」「刃物研ぎ」など、子どもの姿で描かれた様々な職種の人々は真剣ではあるもののユーモアを感じさせる。200点近く制作したとされる本シリーズから95点を一挙公開。

日本初公開!フジタの理想のアトリエ

厨房や暖炉、壁に掛けられた絵画など、その全てがフジタ一人の手によって作られたドールハウスともいえるマケット《私たちの家》は、戦後まもなく制作されたフジタの理想の家であった。本展ではそのマケットを、内部を忠実に再現した油彩画《室内》とともに初公開する。

扉にまで描いたの?!

連作<小さな職人たち>に先行して制作された、子どもを描いた大きさ違いの小さな作品。これらは本展に際して行われた調査により、1953年にフジタがスペインで入手したアンティークの扉のために描かれたものであったことが判明した。本展の会場では、実際の扉を当時のような装飾を加えて展示する。