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イベント情報

「ウィーン美術史美術館所蔵 風景画の誕生」展 キヤノン・ミュージアム・キャンパス 参加報告

10月5日(月)に開催された『キヤノン・ミュージアム・キャンパス』イベントに、ギャザリングスタッフとして参加させていただきました。この日、ザ・ミュージアムは休館日でしたが、大学生の方は学生証を提示すれば『ウィーン美術史美術館所蔵 風景画の誕生』展を無料でご覧いただけるという、とってもお得なイベントの日でした。

 

大学生といっても、対象となるのは大学院生、短期大学生、専門学校生、高等専門学校の4・5年生ということでかなり幅広い層が対象になっています。

会場内の展示は通常の営業日と変わりはありませんが、もちろんお客さまは学生の方ばかり、普段見慣れない光景が新鮮でした。歴史的に価値のある作品を、次の世代を担う多くの若い人たちがご覧になっているシーンというのは、それだけでとっても嬉しい気持ちになります。

 

『キヤノン・ミュージアム・キャンパス』では、入場料が無料になるというだけではなく、美術検定1級を取得されたアートナビゲーターによるギャラリーツアーも開催されます。毎回アートのエキスパートであるナビゲーターの方が展示作品の歴史や魅力について詳しくお話してくださいます。学生の方たちが真剣に聞き入っていたのが印象的でした。

ミュージアム・ギャザリングスタッフとしても、展覧会にいらした学生の方に直接お話を伺う機会は少ないので、会場出口にて、少しだけインタビューさせていただきました。

 

展覧会そのものの感想としては、「素敵な風景画がたくさん見られてよかった」「風景画と宗教の関係がわかって面白かった」「壁紙の色が工夫されていた」などがあり、みなさん楽しんでいただいたようです。また、Bunkamuraザ・ミュージアムは初めて、という方も結構いらっしゃったように思います。一方で前回の『エリック・サティとその時代展』を見に来た時にこの無料企画を知ったという方や、通っている専門学校が渋谷にあるのでよく来ますという方も。やはりご来場者で多かったのは大学生ですが、専門学校生にも何人かお会いしたのも、渋谷ならではなのかもしれません。

『キヤノン・ミュージアム・キャンパス』の企画については、もちろん「無料で助かります」とみなさんおっしゃっていたものの、単純に「無料だから来ました」という方よりも、「ドイツ文学を勉強している」「宗教の分野が専門課程に少し関係がある」「哲学科なので何か参考になるかと思って」「デザインを学んでいるので美術館に定期的に来ている」など、ご自身の勉強されていることにつながるとの理由でご来場されたがほとんどで、“無料”という企画が大変いいきっかけになっていると感じました。どちらかというと女性の方多かったですが、一人、グループなどはさまざまで、いろんな方がこの企画を楽しんでくださっている様子も伝わってきました。

 

『キヤノン・ミュージアム・キャンパス』はさまざまな美術展で開催されていて今回6回目とのことですが、企画としてもわかりやすく、学生といっても幅広い人たちが対象となっており、素晴らしい企画だと感じました。今後のミュージアム・ギャザリングの企画でもぜひ参考にさせていただきたいと思います。ありがとうございました。

 

(中根大輔)