スタッフダイアリー

中根大輔(ライター/世田谷233オーナー)アーカイブ

『オープン!ヴィレッジ』授業レポート3&4限目

『ようこそ、Bunkamuraへ!×シブヤ大学』のコラボレーション企画『オープン!ヴィレッジ』に公式ライターとして参加させていただいています。
7月に開催された第3限目の『「非日常」の体験お届けします ~ 魅惑の果樹園オーチャードへようこそ ~』と4限目の『ココロを揺さぶる球体オーブ ~あなたのミュージカルぎらい、なおします! ~』、いずれも授業レポートがアップされています。ぜひご覧ください。


【公式授業レポート】→http://www.bunkamura.co.jp/openvillage2014/index.html
               (右メニューの「授業レポート」からご覧いただけます)
 




8月は『オープン!ヴィレッジ』はちょっとお休み。9月はいよいよザ・ミュージアムの授業となります。みなさまお楽しみに~。

『オープン!ヴィレッジ』2限目

『ようこそ、Bunkamuraへ!×シブヤ大学』のコラボレーション企画『オープン!ヴィレッジ』に公式ライターとして参加させていただいています。第2限目は、シアターコクーンを教室にした『繭(コクーン)から生まれる熱いドラマ ~ シアターコクーンの挑戦』。授業レポートがアップされましたので、ぜひご覧ください。


【公式授業レポート】→http://www.bunkamura.co.jp/openvillage2014/index.html
               (右メニューの「授業レポート」からご覧いただけます)


と、ここで、またまたはみ出しレポートを少し。

今回の授業は、”演劇初心者”の方はもちろん、演劇や舞台に興味のある方に、より深くシアターコクーンという劇場を知っていただくのが目的。レポートにも書いた通り、五感でシアターコクーンの素晴らしさを体験できる内容だったのですが、特に心に残ったのは”熱”。

普段は”裏方”として上演される作品を支えていらっしゃるスタッフのみなさんの”情熱”でした。座学でのシアターコクーンに対する想い、バックステージツアーでの職人としての知識、カーテンコールでの熱血指導など、スタッフのみなさんからひしひしと”熱”が伝わってきました。

演劇の分野は、60年代以降、小劇団、小劇場と呼ばれる人たちやハコが文化を支えてきた背景があります。今、小さな劇団を主宰している私の知人が、シアターコクーンで上演することを夢見て活動しています。個人的に「演劇に携わる人たちは熱い」という印象があり、今回もあらためてその”熱”を感じました。


授業が終わったあと、運営スタッフの長谷川さんが、「他の施設の方々と共に、ひとつの仕事に関われたことがうれしい」という内容の挨拶をなさったんですが、これはグッときました。

点と点を結んで面に、異なる人や組織をつないでシナジー(=相乗)効果を、みたいなことって、さまざまなビジネスやアートの現場で耳にしますが、それを実現するのは本当に難しい。今回Bunakmuraの6つの施設のスタッフさんたちが、それぞれの場所で開催される授業のためにひとつになっているのを、スタッフの一人として肌で感じているのですが、長谷川さんの言葉を聞いて、まだ2限目ですが、すでに今回の『オープン!ヴィレッジ』の企画は成功したんだな、と思いました。
”裏方”の仕事を意味も無くお客さまに見せる必要はありません。でも、今回の授業で、シアターコクーンという劇場の、そしてスタッフさんの”熱”を、私と同じように少しでも感じてくださった生徒さんがいれば嬉しいです。情熱なくして、挑戦はありえない。シアターコクーンの”挑戦”は、これからもずっと続くと思います。


余談ですが、最後のカーテンコール体験のときにトーキング・ヘッズの「サイコ・キラー」という曲が使われたのですが、何も無い舞台+この曲とくれば、洋楽好きの方はトーキング・ヘッズのライブ映像『ストップ・メイキング・センス』を思い浮かべた方も多かったのではないでしょうか。80年代の金字塔とも言える伝説のライブ。スタッフの中にファンの方がいらっしゃるのかな?



ということで、前回と同じくオフショット。左から長谷川さん、宇津木さん、おやびん、です。みなさん、お疲れ様でした~。

 

オープン!ヴィレッジ、スタート

ようこそ、Bunkamuraへ!×シブヤ大学のコラボレーション企画『オープン!ヴィレッジ』がスタートしました。『オープン!ヴィレッジ』はBunkamuraがプロデュースしている6つの施設を軸に、様々なジャンルの文化・芸術の楽しさを、シブヤ大学の協力のもとに紹介していく全6回の授業。

『オープン!ヴィレッジ』に関わるスタッフは“村人”と呼ばれているのですが、私も村人の一人として、授業レポートを担当させていただくこととなりました。
4月25日(金)に1限目として開催されたのは、渋谷駅近くにあるセルリアンタワー能楽堂を教室にした『はじめての能楽堂~序破急とグルーヴ感~』(もちろんザ・ミュージアムの授業もありますのでお楽しみに)。
 

  
                                                                          <写真提供:古川裕也>

早速授業レポートがアップされましたので、ぜひご覧ください!!!

【公式授業レポート】→http://www.bunkamura.co.jp/openvillage2014/index.html
               (右メニューの「授業レポート」からご覧いただけます)

と、ここで、はみ出しレポートを少し。 

最初から最後まで、能の魅力をたっぷりと感じられる授業でしたが、個人的に特に心に残ったことがありました。能楽師がいかにストイックに自分自身を追い込んで舞台に上がっているか、ということがテーマの流れの中で、小鼓方幸流の成田達志さんが紹介してくださったエピソードです。

ある母親が亡くした子供の亡霊と出会い、一時、ひさしぶりに子供との時間を過ごすものの、最後はまたその亡霊も消えて母親が一人残される「隅田川」という演目についてのお話。最後のシーンで、母親が悲しみに打ちひしがれるのですが、能では他の芸能と違い、非常に微妙な所作で表現されるそうなんです。大声をあげて泣き崩れる、ということは無く、ただ両目を覆うように片手をあげて、その手をほんの数センチだけ顔に近づける、たったこれだけ。しかしながら、能楽師が全身全霊を込めたこの微妙な所作からは、母親の果てしなく深い悲しみが伝わってくると。

 

お話になられている時間はほんの数分でしたが、私は、成田先生がこのエピソードを熱く語られている様子を見ているだけで、胸がグッと熱くなり、息が詰まる思いでした。そして、「ああ、これが能の魅力なんだ」と思いました。
何事も“わかりやすさ”が求められ、あらゆるものが“可視化”される時代には、こういう表現はひょっとしたらある種の”わかりにくさ”として映るかもしれません。でもそれは無駄を一切そぎ落とした表現であり、だからこそ観る側の心にまっすぐ、深く突き刺さるのだと。

 

もちろん、このエピソードも、簡略化してお話しいただいたと思うので、実際に観ると違う部分もあるかもしれませんし、能の魅力はそれだけではありません。演目もハッピーエンドのお話も多くあります。でも、あの瞬間のあの空気感がずっと心に残っています。序破急をベースに生み出される緩急、そしてそこから生まれる感情のグルーヴ、ぜひ多くの人に感じていただきたいです。

 

セルリアンタワー能楽堂のホームページには、公演スケジュールとともに能&狂言のミニ辞典などの楽しいコンテンツもありますので、ぜひ一度ご覧ください。

・セルリアンタワー能楽堂公式サイト:http://www.ceruleantower.com/nohtheater.html


こちらは司会を務められた能楽堂スタッフの喜多村さん(左)と、全体の進行を務められたシブヤ大学の授業コーディネーターの“オヤビン”こと佐藤さん。授業終了後のツーショットを撮らせていただきました。無事終わってホッとした笑顔。お疲れ様でした~。

以 上

ギフトバッグ・ワークショップ開催しました

スタッフ中根です。

「レオ・レオニ 絵本のしごと」展関連イベントとして、レオニ絵本のブックカバーを使った
ギフトバッグを作るワークショップを開催しました。
ワークショップの様子をご紹介します。



主催いただいたのは、レオニの絵本を多数出版されている好学社さん。
写真は担当の山口さんです。お世話になります。

さまざまな理由で廃棄される絵本のカバーを利用して、かわいいギフトバッグを作ります。
こんな感じのかわいいバッグです。

合計4回開催しましたが、おかげさまで各回ともに満員御礼でした。


渋谷の専門学校日本デザイナー学院のシブヤプロダクツ科のみなさんがお手伝い。
ワークショップの下準備も行っていただきました。


親子で参加の方やお友達と参加の方などいろいろ。


スタッフのお姉さんに教えてもらいながら楽しく製作。


出来上がった時はみなさん感動の笑顔でした。


お父さんとお子さんの楽しい思い出になりますように。


絵柄は4つのお話から選べました。


難しいところはお母さんと一緒に作ってね。


結構丈夫ですから、普段使いで楽しんでください。


参加いただいたみなさんは全員無事に作り終えました。
レオ・レオニの世界を持ち歩けるギフトバッグ、素敵ですね。
参加いただいたみなさん、好学社の山口さん、シブヤプロダクツ科のみなさん、
ありがとうございました~。

『レオ・レオニ 絵本のしごと』展、8月4日(日)までの会期です。ぜひ。 

「レオ・レオニ 絵本のしごと」展・プレス内覧会

スタッフ中根です。
展覧会スタートに先駆けて開催された プレス内覧会での様子をご紹介します。
入り口からポップなカラーリングでわくわくする感じが演出されています。
かどっこに小さなフレデリックがいるのでお見逃しなく(笑)。


背景色もレオ・レオニの世界をイメージさせるカラーリングです。





ソファーの色にもこだわっています。


絵本が読めるコーナーもあります。内覧会終了間際だったので貸し切り状態に。


今回の目玉のひとつとも言えるスイミーの映像コーナー。

Swimmy © 1963 by Leo Lionni, renewed 1991/Pantheon © Semitransparent Design


最後のショップコーナーも今まで見たこともない広さと充実度です。

©B&Y

 
©B&Y


©B&Y


早速いつくかグッズを買ってしまいました(笑)。
レオ・レオニの原画の素晴らしさはもちろん、絵本というメディア、
美術館の持つエンターテイメントな部分も楽しんでいただける展示だと思います。
会期は8月4日(日)までです。ぜひご覧ください。 

新入生登場!

同じ渋谷にある専門学校日本デザイナー学院のシブヤプロダクツ科さんとは
毎年コラボレーションをさせていただいているのですが、
今日は今年の4月に入学された1年生がご挨拶に来てくれました。

新入生は全部で12名。今まで一緒に取り組んできた、取り組みなどをご説明。
みんなかなり緊張のご様子...。



でも、次回開催の『レオ・レオニ展』の話に話題が移ると、
学生さんたちのテンションががぜんあがりました(笑)。
やっぱりスイミーの人気はすごいですね。よかった。



ワークショップの企画やお手伝いなど、これから卒業までの2年間にわたって、
お世話になると思います。よろしくお願いします。

ミュージアム・ギャザリング更新しました

スタッフ中根です。

現在開催中の『アントニオ・ロペス展』のミュージアム・ギャザリングの記事を更新しました。
ゲストは本展覧会のイメージソングとして"サンパブロ通りの天使達"を提供してくださった、
フラメンコギタリストの沖仁さん。
沖仁さんは今回展示されているマドリードの目抜き通りを描いた《グラン・ビア》のお近くに
お住まいだったこともあるそうで、スペインでのご自身の体験を中心に、
沖仁さんのルーツや情熱が伝わる素敵なギャザリングとなりました。
ぜひご覧ください。

現代スペイン・リアリズムの巨匠、『アントニオ・ロペス展』は
6月16日(日)までの開催です。

『ルーベンス 栄光のアントワープ工房と原点のイタリア』

 3月9日(土)~4月21日(日)の会期にて開催しております
『ルーベンス 栄光のアントワープ工房と原点のイタリア』。
会場の様子を少しご案内させていただきます。
開催に先駆けて行われたプレス内覧会での様子です。

 入り口看板隣では『フランダースの犬』のパトラッシュがお出迎え。




プレス向け内覧会では、本展を監修いただいた中村俊春先生( 京都大学大学院文学研究科教授)が展覧会の見所を詳しくナビゲートしてくださいました。 


プレスの方にも大変注目いただいているようです。
入り口のスペースがいっぱいになってしまいました。ありがとうございます。
 



《眠る二人の子供》の前にて。
ルーベンスの兄のフィリップスの子供たちではないかという説が有力だそうです。
ほっぺが紅潮していて本当に愛らしい姿です。
 



《復活のキリスト》の前にて。
キリストの復活が描かれた作品。堂々とした雰囲気で、
生気にあふれた力強さが強調されています。
見ているだけで力をもらえそうなオーラが感じられます。

 
さらに展覧会詳細はこちらからどうぞ→ルーベンス特集ページ
公式サイトはこちらです→ルーベンス公式サイト




パトラッシュ基金(盲導犬育成普及活動を支援されています)についてもぜひご覧ください。
パトラッシュ基金

みなさまのご来場お待ちしております。

 

ブロガーナイト ─白隠の魅力に開眼せよ!!─

 「白隠展 HAKUIN 禅画に込めたメッセージ」の関連イベントのレポートです。
今回はアートブロガーの皆さんをお招きしてのイベント、ブロガーナイトです。

【ブロガーナイト ─白隠の魅力に開眼せよ!!─】
 
実施日時:2013年1月7日(月)19:30~21:00
場所:Bunkamuraザ・ミュージアム「白隠展」展示室内
 
登壇者:
山下裕二氏(「白隠展」監修者/明治学院大学教授)
広瀬麻美氏(「白隠展」主催者)
Tak氏(「青い日記帳」主宰)
 
会場は白隠展会場内の”達磨部屋”。白隠さんの達磨の絵ばかりを集めたコーナー。
渋谷のパワースポットです(笑)。今回は椅子ではなく座布団をご用意させていただきました。
リラックスした雰囲気の中で楽しんでいただこうと言う趣向です。



50名の定員でしたが、おかげさまで会場は満員御礼。ありがとうございます。
レーピン展のときに開催したブロガーナイトでもそうでしたが、
お知り合いのブロガーさん同士がご挨拶されている場面もちらほら。
美術館が交流の場になるのは主催側としてもうれしい瞬間です。



最初にまず広瀬氏と山下先生を中心に、今回の展覧会に至るまでの経緯、
そしてこの展覧会は以下に貴重なものかと言うお話をお聞きすることができました。
展覧会との出会い、このイベントがよりいっそうスペシャルなものになった瞬間でした。


(左からTak氏、山下裕二氏、広瀬麻美氏)

その後はスライドショーを見ながら絵の解説はもちろん、展覧会の裏側のお話がたくさん。


↑下に行くほど詰まってしまう白隠さんの書。自分が書きたいものを
最優先する姿勢に会場もなごみます。


↑ブロガーナイトはトークイベント中の撮影もOK。
それをブログやSNSにアップしていただくことも目的です。デジタルカメラよりも
スマートフォンが多いようです。これも時代ですね。



↑餓鬼をすり鉢ですって味噌にしようとする《鍾馗鬼味噌》。
ユーモアあふれる作品です。ちょっとブラックですが(笑)。


↑展覧会は多くの方々に支えられて成立しています。
ここでは、作品の搬出・入をお願いしているヤマト運輸さんに関するお話とスライド。
普段表には出ない様子だけにある意味貴重な写真です。


トークイベント終了後は、ブロガーさんたちのために会場を開放。貸切状態。
みなさんそれぞれのカメラを手にお目当ての作品を撮影されていました。





白隠の魅力、絵の解説、展覧会の裏側、と盛りだくさんのイベントでした。
ご来場くださったみなさん、ありがとうございました。

ハッピーバースデー、白隠さん

ただいま開催中の「白隠展 HAKUIN 禅画に込めたメッセージ」では、
さまざまな関連イベントが開催されています。
こちらのダイアリーでもいくつかご紹介させていただきます。

 

まずは、白隠さんがクリスマスに生まれたことを記念して、
2012年12月25日(火)に開催されたトークイベント【ハッピーバースデー、白隠さん】。

出演は漫画家のしりあがり寿さんと、本展示の監修者である山下裕二先生。
白隠展会場内の”達磨部屋”にて、白隠さんのお誕生日をお祝いするとともに、
お二人による白隠さんに対する熱くて楽しいトークで盛り上がりました。

↓会場となったのは”達磨部屋”と呼ばれる、白隠さんの達磨の絵ばかりを集めたコーナー。
ここが噂の渋谷のパワースポットです(笑)。おかげさまで、会場は満員御礼。

↓入り口すぐにある達磨の幽霊の絵《隻履達磨》は、山下先生によると、
まさに白隠そのものだそうです。
つまり白隠さんが渋谷に生まれ変わったってことですね(笑)。

↓今日の主役、山下先生(左)としりあがり寿さん(右)。
ちょうどお二人の背景となるのが《半身達磨》。大迫力です。

↓いつもながら、スライドショーと山下先生の軽妙なトークに会場もなごみます。
白隠の絵は晩年になるほどいい意味でのゆるさ、豪快さが見て取れるとのこと。
これを山下先生は”ポジティブな脱力”と名づけていらっしゃいました。
このあたりがしりあがり寿さんと共通するのでしょうか。



途中、山下先生が最も好きだとおっしゃる、漫画家のつげ義春さんのお話に。
今日は、ゲストがしりあがり寿さんということもあってか、白隠から漫画まで
話が縦横無尽に駆け巡ります。実際、山下先生によると、白隠の絵は絵と言葉、
すなわち漫画であるともいえるとのこと。なるほど。

↓そして終盤、なんとしりあがり寿さんのライブペイントが始まりました。
達磨、観音など、白隠と同じテーマで次々と作品を仕上げるしりあがり寿さん。

↓達磨もしりあがり寿さんタッチでこんな感じに。

↓作品が出来上がるにつれ会場も熱気を増します。
しりあがり寿さんの勢いはとどまることを知らず、
まさに白隠さんが乗り移ったかのように、筆は止まりません。

↓結果的には、こんなにたくさんの作品があっという間に出来上がりました。
達磨部屋がプチ展覧会に。最後は会場のお客様にプレゼントと言うサプライズも。

 

時に深く、時に楽しいトークに、ライブペイントと盛りだくさんのイベントに、
お客様からも大きな拍手をいただきました。ありがとうございました。

 

 

吉谷桂子さんによるトークショー

ただいま開催中の『巨匠たちの英国水彩画展』連動企画として、

ガーデンデザイナー吉谷桂子さんによるトークショーを開催しました。

~英国の豊かな暮らしとイングリッシュガーデンのお話~というタイトルで、

英国の豊かな暮らしやイングリッシュガーデンの作られ方やこだわり、

水彩画の魅力などについてスライドショーを見ながらお話いただきました。

8年間の英国暮らしでの経験を元に、ガーデンデザイナーとして

活躍されている吉谷桂子さんならではの、エレガントで楽しいトークイベントなりました。

 

会場となるのは今回の展覧会のために英国の邸宅風にデザインされた展示室内。

ターナーの幻想的な作品に囲まれた贅沢な空間です。

たくさんのお客さまにご来場いただきました。ありがとうございます。

ガーデニング番組のキャスターなどを務めていらっしゃる吉谷さんのお話は、

とっても親しみやすくてわかりやすく、あっという間に時間が過ぎてしまいました。

庭やガーデニングに対する英国人のこだわり、ガーデニングと英国水彩画の

色彩の共通点などをお聞きしていると、ますます展覧会場の水彩画が

輝きを放つように感じられました。

ガーデニングの際には、できるだけ色を2系統に抑えることが基本、

室内と外の風景のつながりを考える、などなど、実際に私たちの

日常生活に取り入れられる内容も盛りだくさんで、楽しい中にも時に

真剣に聞いていらっしゃるお客さまの表情が印象的でした。

吉谷さんありがとうございました。

 

『巨匠たちの英国水彩画展』は12月9日(日)までの開催です。

展示されている作品はもちろん、マナトレーディング株式会社さんの

ご協力によって実現した壁紙や生地にもぜひご注目ください。

ではでは、ご来場お待ちしております。

 

クライドルフ写真パネル

スタッフ・中根です。

現在開催中の『スイスの絵本画家 クライドルフの世界』展の関連企画として、
渋谷の専門学校・日本デザイナー学院のシブヤプロダクツ科の学生さんと一緒に
企画・製作したサブイベントを3つ開催しています。

・お子様向けワークブック
・親子で作る絵本ワークショップ
・クライドルフ写真パネル
の3つです。

うち、「親子で作る絵本ワークショップ」は無事終了しました。
参加いただいたみなさん、シブヤプロダクツ科のメンバーさん、
ありがとうございました。
募集窓口としてご協力いただいた、放課後NPOアフタースクールさんが、
ブログにて詳細にレポートをあげてくださっています。(→コチラ
ありがとうございます~。

今、開催中なのが「お子様向けワークブック」「クライドルフ写真パネル」。
ワークブックはお子様連れのお客様に、入り口受付にて無料でお渡ししています。
※部数に限りがございますので、なくなり次第終了となります。

 

そして、どなたでも楽しんでいただける企画として絶賛開催中なのが、
「クライドルフ写真パネル」。

温泉地などによくある、顔を出して撮影するパネルです。
クライドルフの作品『花を棲みかに』より 《まま母さん》、の一部を用いて製作しました。
どなたでも無料で撮影できます。
もちろん、twitterやfecebookにアップいただいてOK。
※設置場所は会場入り口、出口付近など混雑状況などに応じて移動します。

土日・祝日はシブヤプロダクツ科のスタッフが交代で常駐し、
他のお客様のご迷惑にならないようアテンドさせていただきますっ。
お一人の方もスタッフが撮影しますのでお気軽にお声掛けください。

ちなみに中根も2日間シフトに入っております。
みなさまのご来場お待ちしております。

Re-OPEN!!

スタッフ・中根です。

2011年12月23日に半年間の施設改修工事を経て、
いよいよBunkamuraがRe-OPEN!いたしましたっ。

これに伴い、Bunkamuraホームページもリニューアル。
画面がワイドになり、文字も大きく読みやすくなっています。
さらにBunkamura公式ツイッターもスタート(アカウントは@bunkamura_info)。
ザ・ミュージアムのページから、ミュージアム・ギャザリングのサイトへは、
従来以上にアクセスしやすくなりました。嬉しいっ。

ということで、今後ともミュージアム・ギャザリングをよろしくお願いいたします。

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シブヤプロダクツ科とのコラボ!スタート

スタッフ・中根です。

スタッフ・ダイアリーでちょっとだけお知らせした、
渋谷にある専門学校の日本デザイナー学院シブヤプロダクツ科との
期間限定コラボレーション企画がいよいよ始まります。
期間は8月3日(火)〜6日(金)の4日間。
ご来館のお客様にブリューゲルの世界をより楽しんでいただくための
読み解きの楽しい企画を3つご提供します。


コラボその1
「七つの罪源ガイド」
本展のメイン作品である「七つの罪源シリーズ」読み解きのためのミニガイドブックを配布します。
ガイドブックを片手に展覧会をお楽しみください!
[配布日時] 8月3日(火)〜6日(金) 各日17:00〜配布終了まで
[配布場所] Bunkamuraザ・ミュージアム入口付近
[配布数]   先着100名様限定 


コラボその2
「七つの罪源・ポップアップ」
「七つの罪源シリーズ」の作品を大きな飛び出す本にしました。
ぜひ、お手にとってお楽しみください!
[展示期間] 8月3日(火)〜6日(金)
[展示場所]展示室内


コラボその3
「現代のワンダーランドをつくろう!」
渋谷の象徴的な風景にブリューゲルが創りだしたキャラクターシールを貼って、
みんなでひとつの作品をつくり、現代のワンダーランドを完成させよう!
[開催期間] 8月3日(火)〜6日(金)
[実施時間] 10:00〜17:00
[実施場所] 展覧会場出口付近


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(罪源ガイド)

どれもシブヤプロダクツ科の学生さんたちの渾身の作。
ブリューゲルの版画の世界を、より楽しく、より深く楽しむための
お役に立てると思います。
みなさまのご来場、お待ちしておりますー。

『ようこそ!ナイトミュージアムへ』開催

スタッフ・中根です。

7月21日(水)にシブヤ大学さんとのコラボ企画、
『ようこそ!ナイトミュージアムへ』を開催しました。

ゲストの方をお招きしての通常のギャザリングとは一味違う番外編。
シブヤ大学さんの”授業”として開催されるもの。
何と募集定員をはるかに超える応募をいただいたそうです。

今回の授業の目的は、
”アートや展覧会に普段から慣れ親しんでいる人に限らず、
さまざまな人たちがそれぞれの眼で、もっと自由に、もっとユニークな見方で、
アート作品に触れ、新しい発見をしていく楽しさを学びます”
ということ。まさにミュージアム・ギャザリングですね。

内容としては、Bunkamuraザ・ミュージアムのキュレーター廣川さんが
シブヤ大学の学生さんたちをナビゲート。
一緒に会場を回りながら、ブリューゲルの作品を楽しみました。

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(写真・右が廣川さん。ポイントとなる作品を解説してくださいました)

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(みなさん結構真剣です。メモを取られる方もちらほら)


で、その後は、ドゥ マゴ パリに移動して、みんなでお料理をいただきながら意見交換、
=ギャザリングを行いました。

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(参加者はシブヤ大学スタッフの方も含めて15名。輪になって和気あいあい)

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(期間限定メニュー『地鶏のカルボナード ドゥ マゴ風』。美味しかった)

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(リラックスした雰囲気の中、まずはこれから(笑)。カンパーイ)

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(参加者はみんなニックネームをつけて自己紹介。隣の人が時間を計ります)

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(真ん中がシブヤ大学・授業コーディネーターの佐藤さん。ニックネームは”おやびん”)

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(最後はみんなで記念撮影)

結果的には、ブリューゲルやベルギーについてのお話のみならず、
いろんな分野に話が広がりました。でもそれが楽しいんです。

参加してくださった方の中には、アートやブリューゲルに興味のある方ばかりで無く、
”夜の美術館”という、ちょっと非日常的な(?)キーワードに
響いてくださった方もいらっしゃって本当に嬉しかったです。
世代や性別を超えて、アートで、美術館でつながっていろんなことを語り合う、
ギャザリング・スタッフにとっても大変実りのある企画となりました。

参加いただいたみなさん、シブヤ大学のみなさん、
本当にありがとうございました。

『ブリューゲル版画の世界』コラボ企画!始動

スタッフ・中根です。

7月17日(土)からの開催となります『ブリューゲル版画の世界』、
楽しい公式サイト(→click!)や、さまざまな企画も満載なんですが、
今、まさに、『スーパーエッシャー展』や『ルドンの黒』展でもお世話になった、
同じ渋谷にある専門学校・日本デザイナー学院のシブヤプロダクツ科の
みなさんとのコラボ企画が進行中です。


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『ブリューゲル版画の世界』をより楽しんでいただくための仕掛けやツール作りを
一緒に進めています。

こちらはプレゼンの様子。みんな真剣です。

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すでに打ち合わせを何度も重ねているのですが、ブリューゲルの版画作品はなかなか手ごわいっ。
キャラクターがたくさんいますし、いろんなことが出来そうなんですが、
だからといって、何でもよいわけでありません。
どれだけブリューゲル作品の世界観を損なわずに、読み解きのツールとして、
記憶に残る展覧会にするためのエッセンスとして機能できるか、
そのあたりが考えどころです。

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まだまだ試作段階のものも多く、詳細はお知らせできないのが残念ですが、
グラフィック・プロダクト・コミュニケーションなどなど、さまざまなデザインを
勉強されている学生さんならではの企画になりそうです。

実施日時・内容などはあらためて告知させていただきます。
今しばらくお待ちください〜。

ギャザリング・スペシャル

スタッフ・中根です。

性別・年齢を問わず好評をいただいております『レンピッカ展』。
今回のミュージアム・ギャザリングは、なんと山田五郎さんと秀島史香さんを
お迎えしてのダブルゲスト。まさにスペシャルっ。

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山田五郎さんは前回の『愛のヴィクトリアンジュエリー展』に続いてのご登場。
”1920年代のパリ”と”ロシア”に響くとおっしゃる山田さん、
実は前回のギャザリング時に「次のレンピッカこそ僕の出番でしょう」と
オファーを頂戴したのでした。さらに「秀島さんも一緒に」とのことで、
ダブル・ゲストが実現。

ミュージアム・ギャザリングでは、つながりを大切にしていますので、
同じゲストの方に何度も登場いただくこともOKなんです。
実際、今までも写真家の若木信吾さんにも2度ご登場いただいていますし、
日本デザイナー学院の齋先生には、山川健一さんの回に、
スタッフ的に参加いただいています。

前回の『愛のヴィクトリアンジュエリー展』でのギャザリングでは、
山田さんと穐葉アンティークジュウリー美術館・館長の穐葉さんとの掛け合いが素晴らしく、
”アンティークジュエリー”をほとんど知らない私もグイグイ引きこまれてしまうほどでしたが、
今回も山田さんの知識と秀島さんのナビゲーションで、楽しくも深いギャザリングとなりました。
ぜひご覧ください。
...それにしても山田さん、最後に”森ガール”で締めるあたり...さすがです。

『レンピッカ展』は5月9日(日)まで開催中。

ヴィクトリアン・ジュエリー/ギャラリートーク

スタッフ・中根です。

ただいま好評開催中の『愛のヴィクトリアン・ジュエリー展』、
ザ・ミュージアムのスタッフ向けのギャラリー・トークに
特別に参加させていただきました。

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あくまでもスタッフ向けですが、今回の展示を監修された
穐葉昭江さん(あきばアンティークジュウリー美術館長)
自らがご案内してくださるというある意味贅沢なギャラリートーク。
心地よい緊張感の中、非常に勉強になりました。

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(中央が穐葉さん)

会場入り口の展示から、穐葉さんが丁寧に解説してくださいます。

展示されている作品の持つ美しさはもちろん、穐葉さんの
お話してくださる背景や歴史が面白くて深い...。
さすが、歴史を越えて時の権力者や有力者に愛され続けてきたジュエリーたち、
そこに込められた物語も半端じゃありません。

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(スタッフのみなさんも真剣です)

”レース”も技法別に何種類も展示されているのですが、
こういう展示が日本で見られるのはかなりレアだそうです。
ちなみにレースは主に権力者(=男性)が身に着けるものだったとは知りませんでした。
ヴィクトリア女王のウェディング・ドレスに用いられてから、
女性に欠かせないファッションとして広がったそうです。

他にも”オニキス”という言葉が石そのものを指すのではなくて、
ストライプ模様の総称だったとか、カメオのモチーフも最初は
神話の登場人物や哲学者がほとんどだったとか、
銀の食器は美しいだけでなく非常に実用的に作られている
(取っ手のところに象牙があしらわれていて熱くても素手でつかめるとか)
などなど、大変勉強になりました。

ギャラリートークは全部で40分程度だったんですが、
あっという間に終わってしまいました。
穐葉さんありがとうございました。

もちろん、今回会場に展示されているのは、
いつの世にも人々に愛され、人々を魅了してきた”ジュエリー”ですから、
予備知識がなくても、見るだけでため息の出る美しさですが、
穐葉さんが強調されていたのは、”素材”と”技法”に注目すると
より一層作品を楽しめるということ。
各コーナーや作品毎に解説がついているものもありますので、
ぜひご覧になってみてはいかがでしょうか。

http://www.bunkamura.co.jp/

巨大クリスマスツリー出現!

スタッフ・中根です。

先日、こぐれひでこさんとのミュージアム・ギャザリングのためにBunkamuraを訪れてびっくり。
(12月に入ってからは初めてでした)

「ドゥ マゴ パリ」前に広がる吹き抜けの気持ちよい空間の真ん中に、
巨大クリスマスツリーがどーんと登場しているではありませんか。
高さはなんと6m!

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オーナメントもみんなビッグ!
でも決して威圧感があるわけではなくて(インパクトはありますがっ)、
繊細で上品な雰囲気が演出されています。

毎年この広場では、クリスマスにあわせた演出をされているそうなんですが、
これだけ大きな仕掛けは初めてとのこと。
このツリーを観ているだけで、あっという間に時間が経ってしまいそうです。

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このクリスマスツリーは25日まで展示されています。ぜひ〜。

ちなみにBunkamuraでは、この季節に合わせて、いろんなイベントが企画されています。
ザ・ミュージアムでも、『X'mas スペシャル ライブ 「ロートレックの夕べ」』をはじめ、
いろんな企画が開催されます。
詳細はBunkamuraホームページからどうぞ。

http://www.bunkamura.co.jp/

ミュージアム・ミーティング

ミュージアム・ギャザリングでは、ゲストにいらしてくださったみなさんと、
一回だけのギャザリングで終わることなく、そのつながりを大切にし、
そこからまた新たなつながりやいろんな企画が生まれればいいなと
考えています。

実際、ゲストの方がその回以降もずっとザ・ミュージアムの展示に
いらしてくださったり、さまざまなご提案をしてくださったりすることも多く、
本当にうれしいです。


...で、先日、2004年の夏に開催した「グッゲンハイム美術館展」での
ゲスト・プロダクトデザイナーの酒井俊彦さんご夫妻にご来場いただき、
ギャザリング・スタッフとともにザ・ミュージアムのショップや内装について
いろいろお話させていただきました。

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やはり何度も会場に足を運んでくださっている方のご提案・ご意見は
説得力があります。
また、自分たちが常日頃考えていることも、第三者の方を交えて
話をするとまたあらためて新鮮な視点を獲得することもできました。
和気あいあいとした雰囲気の中での打ち合わせでしたが、
大変、良い刺激をいただきました。ありがとうございました。
ここから具体的な動きが起こるよう努力したいと思います。

あっ、もちろん、終了後は「ベルギー幻想美術館」展をご覧いただきました。


ちなみに酒井さんは今月から雑誌DesignResearchにコラムを連載されていて、
それが酒井さんのWebでも読めるんですが、非常に面白かったです。
確かに掃除機のデザインって他の家電と方向性が違う気がします。
”トランスフォーマー系”...(笑)。

擬人像の不思議な影

連日大好評の『だまし絵展』、個人的にもまだたった2回しか
見ておりませんので(笑)、早くまた行かねばと思っているのですが、
ちょっとトリビアをご紹介。


『だまし絵展』、まず会場に入ってすぐに目に飛び込んでくるのが
エラスムス・クエリヌスの《慈悲の擬人像》。
槍を手にしてちょっと一休み、みたいな作品はどう見ても立体。
実はこれ、一見彫刻のように見えますが、
板に貼ったキャンヴァスに描かれたもの。立派な”だまし絵”なんですね。

で、入り口の左側に置かれているのがこの絵で、右側には、
この絵のシルエットらしき影が映っています。
左に絵、右にシルエット。左右対称のような、一対の作品のような????
と思ってカタログを読んでもこのシルエットの方の説明が全然出てこない...。
実はこのシルエット、ザ・ミュージアムのオリジナル作品なんだそうですっ。


(ここから先はネタばれがありますので、まだご覧になっていない方はご注意)

しかもしかも、このシルエットは何かプロジェクターのようなもので
投影されているように見えますが、実は”プリント”とのこと。だまされたっ!
種明かしを知ってからじっくり見たんですが、
どう見ても影が浮いているように見えるんですけどねえ。不思議です。
《慈悲の擬人像》本体が近くにあるのでよけいそう見えるんでしょうか。

思わず触って確かめたくなるんですが...いけません。
今回、この作品に限らず、すべての作品に触ることは出来ませんのでお気をつけ下さい。


ということで、だまし絵展にご来場の際はまず入り口でこの2つの作品をじっくりご覧下さい。


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(ミュージアム・ギャザリングのゲスト・秀島史香さんもびっくり)

マンホールのエッシャー?

スタッフ中根です。

前回ご紹介させていただいた渋谷の日本デザイナー学院さんが、
開設した新学部”渋谷プロダクツ”。

先日、授業で「東京街角アート」(日貿出版)を出版された佐藤 曠一さんを
お招きして、渋谷のフィールドワークを行いました。

実はパブリックアートに溢れている渋谷、学生たちと一緒に私も
いろいろと面白い発見をしたのですが、その中でも出色のものをひとつご紹介。


それは一見何の変哲もない”マンホールの蓋”。
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ちょっと近づいてよく見てください。
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”道玄坂(DOGENSAKA)”のローマ字が変なところで区切られていますね。
そうなんです。DOG・EN・SAKA。
つまりDOG(犬)にEN(縁)のあるSAKA(坂)、とういことなんですね。
渋谷の駅前にはかの有名なハチ公がいます。

ということで、犬に縁のある坂=DOG・ENS・AKAですっ。


さらによく見てください。
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一見幾何学模様のようにも見えますが、犬と走っている人間が交錯しています。
まさにエッシャーの作品のようではありませんか。

じっくり見ないとわかりませんが、こんなアートがあったとはっ!

しかも、上の写真をもっともっとよく見てください。
一匹だけちょっと他のと違う犬がいます。
...おわかりになりますか?
こういう遊び心がいいですねえ。


ちなみに、このマンホールの蓋は渋谷にいくつかあるようです。
今回はこの建物の近くで見つけました。
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ご興味のある方はぜひ探してみてください。
結構人通りの激しいところなので、くれぐれもご注意下さいね。

渋谷プロダクツ始動

『スーパーエッシャー展』や『ルドンの黒』展などでワークショップの企画・運営を
お手伝いいただいた日本デザイナー学院さんが、
本年度より新たな学部を創設。その名も”渋谷プロダクツ”。

”渋谷”をキーワードにいろんなことに取り組み、
その中でさまざまな技術やノウハウを学んでいこう、というもの。
日本の専門学校の歴史の中でもかなり珍しい取り組みではないでしょうか。

そして、ご縁あって、中根も”渋谷プロダクツ”で、
非常勤講師として授業を持たせていただくこととなりました。
テーマは”フィールドワーク”と”アートマネジメント”。

ということで、早速学生達と一緒にザ・ミュージアムで開催中の
『忘れえぬロシア』展を拝見。これもフィールドワークの一環です。

で、観終わった後にスタッフ高山さんと、本展担当の国川さんにご挨拶。
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(左が国川さん、右が高山さん)

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(学生たち、超緊張してます...笑)

学生たちは全部で5人。一部ではなくこれで全員なんです。
渋谷プロダクツの一期生ですね。
数は少ないですが、それぞれに面白い経歴を持った個性的な人材が揃いました。

いろんなお話をさせていただきましたが、
もちろん、学生たちが展覧会の感想を話すという”プチ”ギャザリングも
目的のひとつ。一人ずつ話してもらいました。

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企業の方を相手に自分の意見を述べる、という初めての経験ですが、
みんな結構しゃべってました。なかなか頼もしかった。

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短い時間でしたが、美術館に行くということ、本物の芸術に触れるということ、
自分の考えをちゃんと伝えると言うこと、いろんなことが凝縮されていた気がします。

ちなみに『忘れえぬロシア』展、国立トレチャコフ美術館のマスターピースが
ほとんど揃っているそうで、個人的にはあまり馴染みのない時代&国の
作品だと思っていたのですが、思ったより明るくて清清しい作品も多く、
いろんな宝物に出会えました。

高山さん、国川さん、ありがとうございました。

写真美術館からのお客様

ちょっと個人的なつながりから、東京都写真美術館(以下、都写美さんとさせていただきます)の副館長・今村氏とお知り合いに。

これはぜひギャザリングに関わっていただきたいと思い、ミーティングをお願いしました。
何も具体的なテーマを決めないまま、とりあえず広報宣伝担当の久代さんと一緒にご来館いただき、ギャザリング・スタッフと雑談からスタート。
ギャザリングの最初のゲスト・辻信一さんがおっしゃっていたようにこの”雑談”が大事なんです。

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(左から今村さん、久代さん)

とはいえ、話は非常に柔軟かつフランクにさまざまな内容に及び、
いろいろと具体的なものも見えてきました。
お二人の前向きな姿勢に感謝。こういうスピード感、いいですねえ。

中根は初めて知ったのですが、以前、都写美さんとは、ワークショップを一緒に開催したことがあるそうなんですね。しかも、Bunkamuraで集まって、途中お昼の休憩を挟んで、今度は都写美さんで集合という、かな〜り斬新な内容。すごいなー。こういう企画、今でも通るのかなー。

さて、今回のミーティングがどのようなプロセスを通ってどういう結果につながりますやら。
いずれまた、この場でご報告できると思います。乞う、ご期待。
今村さん、久代さん、ありがとうございました。
今後ともよろしくお願いします。

ちなみに都写美さんのサイト内に面白いブログ「みっちゃんの日本写真開拓日記」を見つけました。
内容が濃くてしかもわかりやすい。
うちのスタッフ・ダイアリーもがんばらなきゃ...。

PHOTO GRAPHICA

ギャザリング・ゲストの写真家・若木信吾さんが今月発売の雑誌『PHOTO GRAPHICA』(インプレスコミュニケーションズ)2009SPRING号にて特集されています。

表紙は若木さんがずっと被写体として撮りつづけていらっしゃる祖父・琢次さん。若木さんにしてみれば最初から追いかけてきた”日常”の中の”普通”の存在。しかしながら、その写真による表紙は、書店の中で平積みされている他のどの雑誌よりも印象深い存在でした。
特集「Takuji New Select」では、”撮りためた祖父の記録としてではなく、生まれ変わって新しい人生を生きる若木琢次の姿”として新作が紹介されています。

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『ルノワール+ルノワール展』のギャザリングでは、「純粋にプライベートで素人のヌード撮りたい」とおっしゃっていた若木さん。雑誌『エスクァイア』(エスクァイアマガジンジャパン)の2008年11月号では、FUJIFILMのTX-2で素人のヌードを撮っていらっしゃいました。偶然かなあ。

ちなみに若木さんは新たに『映画部 MOVIE GANGSTER★』という活動を始められました。毎月一度、アーティストセレクションのオススメ映画を上映、映画の解説やその映画にまつわるエピソードなどが直接聞けるトークショーがあったり、映画にあわせたグッズ製作も行ったりするそうです。中根も早速参加させていただきました。これからどんなことが起こるか楽しみです。

渋谷アートトライアングル始動!

スタッフ・中根です。

ミュージアム・ギャザリングのご縁もあって、今、渋谷の専門学校「日本デザイナー学院」で
講師をさせていただいています。

テーマは「アートマネジメント」。
といっても、こちらから一方的に講義をするのではなくて、
学生たちと一緒に渋谷を舞台にしたアートイベントを開催し、
そのプロセスでさまざまなことを学んでいただこうという主旨です。

こちらがロゴマーク
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日デの学生さんには、エッシャーやルドンの展覧会の際、ワークショップ製作で
ご協力いただいています。
今回のアートイベントは、まさに今までミュージアム・ギャザリングで培ってきた
さまざまなつながりやノウハウがベースになっていると言えます。

過去にギャザリングのゲストとして参加いただいた日デの齋先生や
ギャラリー・ルデコの島中さんにも多大なるご協力いただいています。
感謝。


こちらが今回個展を行う作家3名の作品。
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イベントの詳細はこちらの公式サイトからご覧下さい。→http://233.jp/sat/

アートイベントの会期中、ザ・ミュージアムでは
『20世紀のはじまり ピカソとクレーの生きた時代』展を開催しています。

年明けはぜひ渋谷に遊びに来てください。

ジャン・ルノワールの「トニ」

『ルノワール+ルノワール展』で、2回目のゲストとして登場いただいた写真家・若木信吾さんがDVD化を熱望されていたジャン・ルノワールの映画「トニ」。やっと中古のビデオを入手して観ました。

その後のビスコンティやロッセリーニらに続くリアリズムの先駆的作品といえる『トニ』。リアリズムを志向する映画が、ときに現実を直視することによって暗さを伴いがちなのに対して、ルノワールの映画では、人間の営みや生き様のネガティブな面を”前提”として捉えているようなある種の明るさがあり、主人公トニも決して裕福ではないけれど、どこか奔放で地に足の着いたたくましさを感じさせます。
出演者のほとんどが素人というのも、現代でこそ普通に見かけますが時代を考えると新鮮です。やはり革新的な人でした。男と女の会話一つ、しぐさ一つ、手を抜いていないと思わせる繊細な描写。そして終盤、物語の急展開にあわせて現れる不安な構図と緊張感。それでいて、観終わった後には自分のポジティブな感情がむき出しにされたようなカタルシスを覚えます。

人間という”個”に焦点を当てつつも、その人間が作り上げる家庭や職場、そして町、さらには自然というように、より大きな器への視点が感じられ、結果的に、その環の中で生きる人間への賛歌とでもいうべきメッセージが伝わってきます。

過去にはDVDで発売されましたが現在は廃盤のようです。ボックスセットにも収録されていません...残念。そういえばフェデリコ・フェリーニの『81/2』もやっと今年の5月に日本版DVDが発売になったばかりでした。いろいろと版権の問題などあるのだと思いますが、名作の輝きを後世に伝えるためにも再発して欲しいものです。

『レトル・ノワール』ワークショップ再び

ギャザリング・スタッフの中根です。

昨年7月~8月にかけて開催された『ルドンの黒』展にあわせて開催されたワークショップ『レトル・ノワール』。
日本デザイナー学院の「スーパーワークショップ・プロジェクト」のみなさんによって企画されたプロジェクトで、入り口でお客様に直接”黒の手紙”をお渡しし、”黒”を意識していただいた上で、ルドン展をより楽しんでいただくという、今思えばかなり画期的な試みでしたっ。

で、そのワークショップの報告を兼ねた展示『スパプロ展』(by スーパーワークショップ・プロジェクト)が、先月の1日(金)〜3日(日)の3日間の会期で、私の運営するギャラリー『世田谷233』にて開催されました。
ワークショップの報告はもちろん、本番でも実施された”黒”に関するアンケートも再度実施、
いろんな人の”黒”に関する印象や認識がまたまた集まりました。
(※本番でのアンケート結果はこちら→http://www.bunkamura.co.jp/redon/

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いわゆる”個展”ではないのですが、プロジェクトメンバーそれぞれが書いたルドンに関するイラストが展示されていたり(さすがデザインを勉強されているみなさん、うまい!)、黒に関する手紙をお渡しするという企画に到達するまでのプロセスで登場した、真っ黒なオブジェなんかも展示されていたりして、なかなかボリュームのある展示になっています。

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個人的には、こうやっていろいろな動きを単発で終わらせない試みというのは大変意義があると思っていて、あらためてワークショップを振り返ることでまたいろんなことが見えてきた気がします。
スーパーワークショップ・プロジェクトのみなさん、日本デザイナー学院の齋先生、
お疲れ様でした~。また機会がありましたらぜひよろしくお願いします。

『ルドンの黒』ワークショップ進行中

今月下旬から開催が予定されている『ルドンの黒』展でのワークショップ企画が進行中です。お手伝いいただいているのは『スーパーエッシャー展』でも素晴らしいワークショップを作り上げてくれた、同じ渋谷にある日本デザイナー学院「スーパーワークショップ・プロジェクト」のみなさん。ご協力ありがとうございます。

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(真剣に打ち合わせ中)

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(プレゼン中・その1)

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(プレゼン中・その2)

すでに何度か打ち合わせを重ね、段々と内容が固まってきました。今回は参加者の方を募ってみんなで何かを作り上げるという、いわゆるワークショップっぽい形式ではなく、ご来場のお客様一人一人に参加いただく形になりそうです。ひょっとしてこれって新しいかも。キーワードはやっぱり「黒」。です。乞う、ご期待。

しかしホント、美術館という場所、ミュージアム・ギャザリングのようなプロジェクトにできること、まだまだたくさんありそうです。


ちなみに『ルドンの黒』展の割引クーポンの配付がザ・ミュージアムのWEB上で始まっています。中には携帯待ち受けにもなるクーポンもあります(メールマガジンへの登録が必要)。早速ログインしてみたのですが、中根の携帯電話はPHSでさらにカメラが付いていない古〜いタイプなので、2次元バーコードが読めませんでした...。
いやもう、慣れてますけどね。で、友達のカメラ付き携帯借りてダウンロードしたけどいいよねっ?海老沢さんっ。

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ルーンベンスを持ち歩こう!

6月9日より、『プラハ国立美術館展 ルーベンスとブリューゲルの時代』が始まっています。

ルーベンスと言えば真っ先に思い浮かぶのがベルギーを舞台にした童話で、日本でもアニメで大ヒットした『フランダースの犬』。主人公のネロが亡くなる間際に見たいと言った絵がルーベンスの絵(《キリストの昇架》《キリストの降架》※今回の展覧会ではこの絵は展示されていません)でした。
物語の悲劇的な結末は国によっていろんな反応があるようですが、ウェットな話が受ける日本では、時代を超えて語り継がれていますよね。そういう意味ではルーベンスは意外と日本人にとって知名度の高い画家なのかもしれません。

ルーベンスとブリューゲルは17世紀フランドルの二大潮流とされる画家。
ザ・ミュージアムの今年に入ってからのラインナップは、『スーパーエッシャー展』に『プリンセスの輝き ティアラ展』、さらに『モディリアーニと妻ジャンヌの物語展』と続いたので、個人的には久しぶりにずっしりとお腹に来る”絵画展”という感じがします。もっと気軽に美術館で芸術を楽しもう、というのはミュージアム・ギャザリングの趣旨でもありますが、今回のような展覧会の時には、しっかりと予習をしてがっつりと向き合ってみるのもありかと。

で、その時に役立てたいのが音声ガイド。
ザ・ミュージアムでは、6月7日より会場でのみ貸出しを行っている音声ガイドを、事前にダウンロード購入できるサービスが始まりました。このサービスの面白いところは音声ガイドソフトを自分の好きなデジタル・オーディオ・プレイヤーに入れて持ち歩けるところ。電車の中でも聞けるし、もちろん会場の中にも持ち込み可能なので、使い勝手のわかったハードウェアで音声ガイドがお気軽に楽しめます。個人的にもipodを使っているので、このサービスを知ったときは嬉しくなってしまいました。早速購入してみましたが、ipod専用データなんかもあってデータ移動は楽々!しかも、ダウンロード購入だと、会場で音声ガイドを借りるよりも少しお安くなります。

ヨーロッパ屈指の絵画コレクションで知られるプラハ美術館、その伝統ある作品群を音声ガイドでばっちり予習して思い切り楽しんでみませんか。あっ、くれぐれも音量にはお気をつけくださいね。

『スーパーエッシャー展』連動ワークショップ報告

『スーパーエッシャー展』に連動して企画された2つのワークショップ
『Escher's eye workshop』(ロモグラフィージャパン主催)
&『親子でつくるエッシャーアニマル』(日本デザイナー学院ワークショップチーム)、
いずれもおかげさまで大好評のうちに終了しました。
※詳細は近日中にイベントページにアップします。

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<Escher's eye workshopの様子>

また、『Escher's eye workshop』にあわせて開催された同じくロモグラフィー
ジャパン主催『フォトコンテストEscher's Fisheye』も無事終了。厳選
なる 選考会には、ロモグラフィージャパンの浪上さん、小村さんと一緒に私たち
ミュージアム・ギャザリングのスタッフ(海老沢、高山、中根)も参加。
どれも本当に力作で、選考は大変難航いたしましたが、何とか4名の方を
決定させていただきました。
受賞作はhttp://www.lomography.jp/の「ニュース&イベント」のページから
ご覧いただけます。


『親子でつくるエッシャーアニマル』ワークショップでは、引き続き
『ティアラ展』のワークショップにも参加してくださる方がいらっしゃるなど、
嬉しいつながりも生まれました。

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<親子でつくるエッシャーアニマルの様子>


今回の2つのワークショップを通して、私たちギャザリング・スタッフも
多くのことを学ぶことができました。ご協力いただいた皆さん、参加してくださった
みなさん、本当にありがとうございました。
美術館にできること、まだまだたくさんあると思います。今年もいろんなことを
企画していきますので、今後ともよろしくお願いします。

『Lomo Escher’s fisheye』フォトコンテスト開催!

『スーパーエッシャー展』の連動企画として、ロモグラフィージャパン主催のオンラインコンテスト『Lomo Escher’s fisheye』が開催されます。
今回の展覧会にも、『球面鏡のある静物』や『バルコニー』などなど、魚眼レンズのファインダーからのぞく世界と重なる作品が多数出品されています。そこで展覧会と連動し、FisheyeやFisheye2、Fisheyeレンズで撮影したエッシャー風不思議写真を募集するというもの。
受賞者には豪華賞品のプレゼントが用意されているのですが、 “Bunkamura ザ・ミュージアム賞(1名)”の賞品は、なんとあの名機LOMO LC−Aの後継機種LC-A+。これは見逃せません。
Fisheyeを手にエッシャーになりきって世界を切り取り、どんどん応募しましょう!
フォトコンテスト詳細はロモグラフィージャパンのサイトからどうぞ。

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『スーパーエッシャー展』プレス発表会レポート

ミュージアム・ギャザリング・スタッフの中根です。
先日、11月11日から開催される『スーパーエッシャー展』のプレス発表会にお邪魔して来ましたので、ちょっとご報告します。ご同行いただいたのは、以前ギャザリングのゲストとしてご出演いただき、現在『スーパーエッシャー展』でのワークショップをギャザリングスタッフと一緒に進めていただいている日本デザイナー学院の齋先生。写真撮影もご協力いただきました。ありがとうございます。

今回のプレス発表会は、展覧会にあわせて展開されるさまざまなイベントやグッズのお披露目に加え、展覧会のイメージソングを歌っている JiLL-Decoy association(ジルデコイ アソシエイション)の生ライブとエッシャーのDVDの上映も行われるという豪華な内容。DVDは映画館のスクリーンを使って一夜限りの特別上映。製作風景やインタビューシーンなど、貴重な映像がいっぱいでした。普通に楽しんでしまったのですが、いいのかな...。

その他にも、エッシャーをキーワードに「聴く」「買う」「泊まる」「観る」「参加する」「食べる」という項目ごとにいろんな催しが用意されていて、フィギュアにガチャガチャ、BOXセットに記念パスネット、オリジナル料理にドリンクなどなど盛りだくさん。さすがにこれだけ多いと、いろんな意味でお腹いっぱいという感じですが、展覧会に興味を持っていただくきっかけがいろいろあるのはいいと思うし、孤高の天才アーティストの展覧会ですから、このぐらいの賑やかさ、華やかさがあった方がよいのかも、とも思いました。
それにしても会場は満員の上、生ライブには一般のお客様も大勢いらっしゃったようで、『スーパーエッシャー展』もかなり盛り上がりそうです。

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「ブルー&オレンジ」

現在、開催されている『ピカソとモディリアーニの時代展』を観たのですが、会場に入った瞬間、「おやっ」と思いました。
いきなりブルーとオレンジが目に飛び込んでくるインパクトのあるエントランス。いつもはそこに展覧会の趣旨や説明のボードがあって、そこから作品展示が始まるんですが、今回は展示されている画家の言葉が書かれたボードが飾られているんです。しかも、そこで使われている書体が面白い。新しいような、古いような。読みやすいような、読みにくいような。入口から長居してしまいました。

ザ・ミュージアムのスタッフである海老沢さんと高山さんにお聞きしたところ、今回の展示は、それ以外にもいろいろと工夫されているそうです。
例えば、入り口のブルーとオレンジが、いろんな作品の背景に使われています。モディリアーニのところにはブルー、ユトリロの後ろにはオレンジという具合。このブルーとオレンジがちょっとレトロな感じで面白いです。派手と言えば派手だし、落ち着いているといえば落ち着いている。これまた微妙な色使い。ずっと見ていると、モディリアーニの背景にはいっそのことパリのカフェの風景写真がどーんとあっても良かったかも、なんて思ってしまいました。純粋に絵をご覧になりたい方には怒られそうですが。
後、ユトリロの作品は展示場所の右側が空いていて、向こう側の素朴派の展示が見えるんです。これは、リール近代美術館の学芸員の方が、ユトリロを素朴派に分類したかったためらしいんですね。一応年代に合わせて展示されていますが、ちょっと視点をずらすと素朴派と一緒に見える。明らかに不自然な感じだったので何かあるのだろうとは思いましたが、そういうことだったんですね。納得。

今回の会場のいろいろな演出、私はとても楽しいと思いましたが、皆さんはいかがでしょうか。これから展覧会をご覧になる方は、ぜひそういった部分にも注目してみてください。

「浮かぶアポロ」

『ポンペイの輝き』展、観ました。入り口からいつものザ・ミュージアムとはちょっと違う荘厳な雰囲気(いや、普段が“軽い”というわけではないのですが...)やリアルに展示されている型取りされた遺体等、いろんな意味で圧倒されました。石像や壁画も間近で見られるので迫力満点です。ポンペイの「輝き」の部分と「悲劇」の部分の振幅の広さに心が揺れます。
社会が安定していて文化レベルが高いと言うと日本の江戸時代を思い浮かべますが、何か派手さはぜんぜん違うなあと。金の装飾品とか銀の食器とか、ものすごく豪華です。さすが、快楽の街。
やっぱり中でも目を引くのが壁画なんですが、これもすごく色が鮮明できれいなんですよね。2千年の時ってなかなか想像し難いんですが、残るものはちゃんと残るんですね。絵を描く媒体として“壁”って最も原始的だと思うんですが、そういう“アナログ的メディアの強さ”みたいなものも垣間見た気がしました。デジタルデータなんて絶対数千年も持たないですよね。多分。
ちなみにミニ情報としてスタッフの海老沢さんからお聞きしたのですが、ポンペイでも裕福な人たちは寝そべって食事をしたそうなんですね。で、展示されている壁画も、斜め下あたりから見上げるようにすると、例えば「竪琴弾きのアポロ」なんかはちょっと浮遊しているように見えるんだそうです。実際、ちょっとかがんで見てみましたがその通りでした。会期中にもう一回来ようと思っているんですが、その時はちょっと横になってみようかなあ。ってダメですよね?やっぱり。

『印象派と映画』

現在「ポーラ美術館の印象派コレクション展」が開催されています。
私は映画が好きでよく観るのですが、印象派絵画と言えば、映画とも関係が深い一面があります。 ロートレックの生涯を描いた『葡萄酒色の人生 ロートレック』、ロートレック等多くの画家たちが通ったナイトクラブを舞台にした『ムーラン・ルージュ』、モネ・マニアが華麗なる泥棒として暗躍する『トーマス・クラウン・アフェアー』等、印象派の画家や作品に関わりのある作品は多く、また、かの巨匠オーギュスト・ルノワールの次男ジャン・ルノワールは映画監督として『フレンチ・カンカン』や『ゲームの規則』等の名作を世に送り出しています。
中でも画家の人生を描いた作品となるとやはり思い浮かぶのはゴッホですね(ちなみに彼の甥の孫、テオ・ヴァン・ゴッホも映画監督)。有名なのはヴィンセント・ミネリ監督、カーク・ダグラス主演の『炎の人ゴッホ』(1956)とロバート・アルトマン監督、ティム・ロス主演の『ゴッホ/謎の生涯』(1990)の2作。いずれもゴッホのキャラクターや描かれている視点が違うため、それぞれに見どころがあります。『炎の人ゴッホ』は同名小説の映画化で、映像的にも印象派絵画を意識した作りですし、同時代のさまざまな画家たちが登場するので、印象派入門と言った趣で楽しめます。カーク・ダグラス演じるゴッホは純粋で誠実であるがゆえに精神的に破綻をきたしてしまうある意味正統派。『ゴッホ/謎の生涯』は弟テオとの関係性を中心に描いていて、冒頭にゴッホの「ひまわり」のオークションシーンを持ってくるあたりはハリウッドの奇才ロバート・アルトマンらしいペーソスの効いた演出。この作品でティム・ロスが演じるゴッホは、より激しく荒い気性で、神よりも絵を尊ぶ狂気にまみれたある種意外なキャラクター。どちらが真実のゴッホかはさて置き、見比べて見ると面白いと思います 。

猫とシュルレアリスム

「レオノール・フィニ展」のギャザリング終了しました。とにかく絵画、舞台衣装、映像と幅広い表現方法による作品群に圧倒されました。方法だけでなく、作品の雰囲気も華やかなものから沈んだ感じのものまで振れ幅が広い。晩年の作品には結構ダークでファンタジックなものが多いので、あらためて初期の作品と見比べたくなり、会場内を行ったり来たり。挙動不審者に思われてないかなあ(笑)。悪く言えば捉えどころがない、よく言えばものすごいエネルギー。いずれにしても見ごたえありました。カタログのサイズも小さくてグッド。
ギャザリングの内容は近日アップいたしますが、その中で気になったのはザ・ミュージアムの海老沢さんが説明して下さった“猫”の話。いや、“猫がつけた傷”の話。フィニは猫が大好きで、数十匹の猫に囲まれて暮らしていたそうなんですが、よく見ると作品の中に猫の引っかき傷がついているものがいくつかあるらしいんです。展覧会を見る前に言って下さいよー(笑)。そんな傷をそのままにしておくなんて、まさに猫好きのフィニらしいエピソードだと思いました。彼女の作品に猫と人間を同じ大きさで描いたものがあるんですが、ひょっとして猫になりたかったのか、それとも自分のことを猫の生まれ変わりだと思っていたのか、なんて。

スロー・ライフ読本

今、開催中の「グランマ・モーゼス展」を見ました。前回の「流行するポップ・アート」展に比べると、正直、ミュージアム・ギャザリングに関わっていなければ行かなかったんじゃないかなあという気がしますが、前にこのダイアリーでも書いたとおり、普段なら行かないような展覧会に行くことによる発見が、今回もありました。その温かみがあってほのぼのとした世界に惹きこまれたのはもちろん、今回はミュージアム・ショップで販売されているカタログに書かれている彼女の生涯や姿勢にまつわる文章がいいんですよ。僕はアーティスト自身の考え方や生き方と作品を切り離して見ることが出来ない人間なので、作品の図版を見ながら、彼女が生前「お金は無くとも家族に支えられ、ささやかな自分の生きがいを見つけていけば人生は幸せ」と述べていた、なんて一文を読むとじーんとしてしまいました。単なる“生きがい”ではなく、“ささやかな”っていう一言が彼女の静かで優しい人柄を感じさせるんですよね。グランマ万歳。他にもいろいろと人生の機微に触れる言葉に出会えるので、このカタログは一人の女性画家の作品と生き様を通してスロー・ライフというものを理解する本としても楽しめると思いますよ。

オススメ・グッズ

グッゲンハイム展覧会で販売されていたグッズを購入しました。ギャザリングにも参加いただいた酒井さんがデザインされたものです。透明のアクリル板で出来たブックマーク、しおりですね。全部で13枚あるのですが、それぞれに大きさの違う穴が空いていて、全部重ねるとその部分がグッゲンハイム美術館の特徴的な建物の外観になるというもの。気に入った理由は、まず見た目がきれいだったのと、実用的だったのと、後は、みんなに配るのにいいかなと。バラしてしまうと建物のモチーフじゃなくなっちゃうんですが、それでも人にあげた時に、「この穴は何?」「これはねー」という感じで結構話が弾みます。今までミュージアム・グッズっていうとポストカードぐらいしか購入したことが無かったけれど、こういうグッズがあるのもいいなあとつくづく思いました。まあ、開催する側のお話を伺っていると、毎回コラボをするのはなかなか大変そうですが。デザイナーの酒井さんは、ご自身がデザインされたものはどう使われようと構わない、例えばブックマークも封を開けずに飾ってくれてもいい、とおっしゃっていたのですが、実際、このブックマークは透明な接着剤でくっつけるとオブジェとしてもきれいだと思いました。後、結構厚みがあるのと、穴の部分がそれなりの大きさなので、他にも何か使えそうな気がするんですよね(笑)。今回のコラボグッズをご覧になられた方、購入された方いらっしゃいましたら、ぜひご意見・ご感想等お聞かせください。

美術館で会いましょう

正直言って、このミュージアム・ギャザリングというプロジェクトをお手伝いする前は、ザ・ミュージアムにほとんど足を運んだことがありませんでした(ブンカムラのみなさん、すみません...)。もちろん好きなアーティストの展覧会がある時は見に来ますし、来たら来たで、ついでにドゥ マゴでお茶を飲んだり、ナディッフをのぞいたりして楽しいのですが。個人的には映画が大好きなので、ル・シネマには結構行くんですけどね。で、ギャザリング・スタッフとして、強制的に(笑)毎回の展覧会を拝見するようになって思ったことが1つ。それは、ある美術館で行われる展覧会を見続けるのはかなり楽しい、ということです。一番大きな理由は普段なら見ない人の作品や世界に触れられるということだと思います。人間でもそうですよね。例えば、初めて出会った相手と話してみて、相手が見た目通りの人だとさほど驚きはありませんが、普段絶対会わない種類の人や見た目と中身が全然違う人と出会ったときには、驚きもあるし新鮮さもあるし、時には感動さえあったりする。やっぱり触れてみないとわからないっていうことはあるもんです。続けていると「次の展覧会はどんなだろう」とワクワクしてきますよ。こういう美術館との付き合い方もオススメです。