スタッフダイアリー

海老沢典世(Bunkamuraザ・ミュージアム)アーカイブ

会場のレイアウトの秘密

もうすぐ終了してしまう「レオノール・フィニ」展ですが、今回特に好評だったのが、館内の豹柄ソファ! 壁紙の色やパネルの色、造作物の装飾などは、展覧会ごとに内容や作品のイメージに合わせて工夫を凝らしているのですが、作品鑑賞の妨げにならず且つ作品の魅力を最大限に引き出すようにいつも頭を悩ませています。今回は、フィニという画家自身の魅力を最大限に引き出すためには会場も斬新な感じにしたほうがいいのでは・・・との当館学芸員の英断(?)で、いつもはグレーで目立たないソファまで豹柄にしてしまいました。私は小心者なので、ちょっとやりすぎかなーと心配していたのですが、これが思いのほか好評で、アンケートにも作品についての同じくらい館内の装飾について「良かった!」とご意見をいただきました。ちなみに当学芸員は自宅のソファも豹柄にしようと画策中です。
ただいま次回のギュスターヴ・モロー展の会場レイアウトを検討中ですが、レイアウトテーマはずばり「ヨーロッパの邸宅」。どうぞご期待ください!

親子での美術館鑑賞

 先日、オードリー・ヘップバーン展でギャザリングに参加してくださったマダム由美子さんが、「この展覧会をぜひ娘にも見せたい!」とお嬢さん(9歳)と一緒に来館されました。やはりバレエを習っているというお嬢さんはオードリーが子どもの頃に描いたバレリーナの絵が可愛かったと目を輝かせて楽しんでいらして、お母様はお子様のそんな様子を温かく見守ってらっしゃる姿が印象的でした。オードリー展ではその他にもおばあさんと孫息子さんらしき2人連れやお父さんと小学生くらいのお嬢さんの2人連れといったような組み合わせのお客様がけっこう見受けられて、まったくの想像ではありますが、もしかしたらふだんはあまり一緒には出かけないけれど「お父さんが若い頃好きだったオードリーの展覧会を一緒に見に行こうよ」的な会話が交わされて来てくださってるのかも…と考えると、美術館を運営している側としてはとても嬉しくなります。一人で行く美術館、だれかと一緒に行く美術館…、こういうのもひとつのつながりですよね。