スタッフダイアリー

2006年10月アーカイブ

『スーパーエッシャー展』プレス発表会レポート

ミュージアム・ギャザリング・スタッフの中根です。
先日、11月11日から開催される『スーパーエッシャー展』のプレス発表会にお邪魔して来ましたので、ちょっとご報告します。ご同行いただいたのは、以前ギャザリングのゲストとしてご出演いただき、現在『スーパーエッシャー展』でのワークショップをギャザリングスタッフと一緒に進めていただいている日本デザイナー学院の齋先生。写真撮影もご協力いただきました。ありがとうございます。

今回のプレス発表会は、展覧会にあわせて展開されるさまざまなイベントやグッズのお披露目に加え、展覧会のイメージソングを歌っている JiLL-Decoy association(ジルデコイ アソシエイション)の生ライブとエッシャーのDVDの上映も行われるという豪華な内容。DVDは映画館のスクリーンを使って一夜限りの特別上映。製作風景やインタビューシーンなど、貴重な映像がいっぱいでした。普通に楽しんでしまったのですが、いいのかな...。

その他にも、エッシャーをキーワードに「聴く」「買う」「泊まる」「観る」「参加する」「食べる」という項目ごとにいろんな催しが用意されていて、フィギュアにガチャガチャ、BOXセットに記念パスネット、オリジナル料理にドリンクなどなど盛りだくさん。さすがにこれだけ多いと、いろんな意味でお腹いっぱいという感じですが、展覧会に興味を持っていただくきっかけがいろいろあるのはいいと思うし、孤高の天才アーティストの展覧会ですから、このぐらいの賑やかさ、華やかさがあった方がよいのかも、とも思いました。
それにしても会場は満員の上、生ライブには一般のお客様も大勢いらっしゃったようで、『スーパーエッシャー展』もかなり盛り上がりそうです。

mcepre.jpg

「ブルー&オレンジ」

現在、開催されている『ピカソとモディリアーニの時代展』を観たのですが、会場に入った瞬間、「おやっ」と思いました。
いきなりブルーとオレンジが目に飛び込んでくるインパクトのあるエントランス。いつもはそこに展覧会の趣旨や説明のボードがあって、そこから作品展示が始まるんですが、今回は展示されている画家の言葉が書かれたボードが飾られているんです。しかも、そこで使われている書体が面白い。新しいような、古いような。読みやすいような、読みにくいような。入口から長居してしまいました。

ザ・ミュージアムのスタッフである海老沢さんと高山さんにお聞きしたところ、今回の展示は、それ以外にもいろいろと工夫されているそうです。
例えば、入り口のブルーとオレンジが、いろんな作品の背景に使われています。モディリアーニのところにはブルー、ユトリロの後ろにはオレンジという具合。このブルーとオレンジがちょっとレトロな感じで面白いです。派手と言えば派手だし、落ち着いているといえば落ち着いている。これまた微妙な色使い。ずっと見ていると、モディリアーニの背景にはいっそのことパリのカフェの風景写真がどーんとあっても良かったかも、なんて思ってしまいました。純粋に絵をご覧になりたい方には怒られそうですが。
後、ユトリロの作品は展示場所の右側が空いていて、向こう側の素朴派の展示が見えるんです。これは、リール近代美術館の学芸員の方が、ユトリロを素朴派に分類したかったためらしいんですね。一応年代に合わせて展示されていますが、ちょっと視点をずらすと素朴派と一緒に見える。明らかに不自然な感じだったので何かあるのだろうとは思いましたが、そういうことだったんですね。納得。

今回の会場のいろいろな演出、私はとても楽しいと思いましたが、皆さんはいかがでしょうか。これから展覧会をご覧になる方は、ぜひそういった部分にも注目してみてください。