スタッフダイアリー

2006年3月アーカイブ

五感が研ぎ澄まされる小説

先日、今回のギャザリングのゲストに登場していただいた謝孝弘さんの小説「藍の空、雪の島」(スイッチ・パブリッシング)を読みました。
純粋な心を持った一人の少年が主人公のストーリーは、重いテーマを扱っているのですが、そこには生命の輝き、みずみずしい感性の世界が広がっています。足裏で感じる大地のリアルな感触、心を澄まして聞く生命の音、母の味、眼前に広がる鮮明な藍の色、真っ白な雪の色。。。様々な感覚が喚起させられます。特に冒頭から漂う“スカケウ”の白い花の清冽な香りは、この小説の重要なエレメントになっています。各章につけられた詩的なタイトルも美しいです。この本は、現在BunkamuraのNADiff modernでもお取り扱いしています。
是非この感覚を実際に味わってみてください。きっと気持ち和やかになる香りがあなたにも届くはずです。

もう一つのスイス・スピリッツ

今回ポスターの絵にもなっているセガンティーニの絵に象徴される澄み切った空気が満ち溢れるスイスの美術。そんなスイス・スピリッツが宿るのは美術の分野だけではありません。実はスイスは知る人ぞ知るデザイン王国でもあります。ビクトリノックスのアーミーナイフやスウォッチが有名ですが、他にもスイスには生活に密着した優れたデザインがたくさんあるのです。たとえば野菜の皮むき器“REXのピーラー”(http://www.zena.ch/)。すっと手になじむ究極にシンプルなデザイン。ハンディフードプロセッサー“バーミックス”(http://www.bamix-usa.com/)も余計なものが一切ない機能を突詰めたカタチ。オブジェとしても美しい“ネフ社”の大人も楽しめる知育玩具(http://www.naefspiele.ch/→こちらは現在BunkamuraのNADiff modernでもお取り扱い中!!)。。。どれも我が家では大活躍のものばかり。日常生活の場でお世話になっているプロダクト・デザインには意外にもスイスのものが多かった。スイス・スピリッツは私たちの日常の中にも静かに息づいているのでした。