スタッフダイアリー

2005年7月アーカイブ

写真展『極東ホテル』

私ごとで恐縮ですが、この夏、新作の写真展を行うことになりました。
『地球を生きる子どもたち』の時に、このミュージアム・ギャザリングにも参加していただいた篠原俊之さんの写真ギャラリー「ルーニィ・247フォトグラフィー」
http://www.roonee.com/)で 8月30日(火)から9月4日(日)までの開催です。
タイトルは『極東ホテル』。台東区の山谷地区にある外国人バックパッカー専用のホテルを訪れる様々な国からの旅行者達と一緒に過ごした日々を撮影したものです。 ポートレートを中心に約30~40点の展示になる予定です。 詳しくは、僕のウェブサイトをご覧下さい。
ザ・ミュージアムでアートを鑑賞した後に、ぜひ「ルーニィ・247フォトグラフィー」にも足をお運び下さい。 どうぞよろしく。
鷲尾和彦ウェブサイト: http://washiokazuhiko.jp

猫とシュルレアリスム

「レオノール・フィニ展」のギャザリング終了しました。とにかく絵画、舞台衣装、映像と幅広い表現方法による作品群に圧倒されました。方法だけでなく、作品の雰囲気も華やかなものから沈んだ感じのものまで振れ幅が広い。晩年の作品には結構ダークでファンタジックなものが多いので、あらためて初期の作品と見比べたくなり、会場内を行ったり来たり。挙動不審者に思われてないかなあ(笑)。悪く言えば捉えどころがない、よく言えばものすごいエネルギー。いずれにしても見ごたえありました。カタログのサイズも小さくてグッド。
ギャザリングの内容は近日アップいたしますが、その中で気になったのはザ・ミュージアムの海老沢さんが説明して下さった“猫”の話。いや、“猫がつけた傷”の話。フィニは猫が大好きで、数十匹の猫に囲まれて暮らしていたそうなんですが、よく見ると作品の中に猫の引っかき傷がついているものがいくつかあるらしいんです。展覧会を見る前に言って下さいよー(笑)。そんな傷をそのままにしておくなんて、まさに猫好きのフィニらしいエピソードだと思いました。彼女の作品に猫と人間を同じ大きさで描いたものがあるんですが、ひょっとして猫になりたかったのか、それとも自分のことを猫の生まれ変わりだと思っていたのか、なんて。

会場のレイアウトの秘密

もうすぐ終了してしまう「レオノール・フィニ」展ですが、今回特に好評だったのが、館内の豹柄ソファ! 壁紙の色やパネルの色、造作物の装飾などは、展覧会ごとに内容や作品のイメージに合わせて工夫を凝らしているのですが、作品鑑賞の妨げにならず且つ作品の魅力を最大限に引き出すようにいつも頭を悩ませています。今回は、フィニという画家自身の魅力を最大限に引き出すためには会場も斬新な感じにしたほうがいいのでは・・・との当館学芸員の英断(?)で、いつもはグレーで目立たないソファまで豹柄にしてしまいました。私は小心者なので、ちょっとやりすぎかなーと心配していたのですが、これが思いのほか好評で、アンケートにも作品についての同じくらい館内の装飾について「良かった!」とご意見をいただきました。ちなみに当学芸員は自宅のソファも豹柄にしようと画策中です。
ただいま次回のギュスターヴ・モロー展の会場レイアウトを検討中ですが、レイアウトテーマはずばり「ヨーロッパの邸宅」。どうぞご期待ください!