©Photo D.R.

3月に長女リリィを出産

「出産の日は私の生涯で最良の日よ。長いことお腹の中で育てた命についに巡り会えて……とても感動的なことだったわ」
 育児に協力的なご主人(写真家ジェームス・ボール)と愛らしいベビーと共に幸せな時間を過ごす一方で、4月半ばには早くも舞台復帰に向けてエクササイズを再開したパリ・オペラ座バレエのエトワール、ドロテ。舞台復帰が大変にならないようにと妊娠中から体重の増え過ぎに気を配ってい ただけあって、出産前の体重に戻るのに苦労はなかったそうだ。それでも舞台復帰に向けて、入念な準備は欠かせない。エアロバイク、次いでヨガ、そしてオペラ座での毎日のバー・レッスンとすでに多忙な日々を送っているそう。

自分が一番輝ける演目が並ぶエトワール・ガラ!

「昨年の6月に踊った『ラ・シルフィード』以来だから、もう1年近く舞台から遠ざかってるわけでしょう。今、待ち遠しいのはただ1つ、舞台で踊ることよ!」
 今夏行われる「エトワール・ガラ」への参加は、彼女にとって今回が2回目。ダンサー本人によるセルフ・プロデュースという珍しい形式のエトワール・ガラは、観客だけでなくダンサーにとっても楽しみな公演。自分がいま一番踊りたい演目に挑むこの公演は、「ダンサーにとっても新たなモ チベーションとなり、復帰後の初仕事としては理想的」であると語る。

クラシックから現代作品まで幅広い踊りを披露する

「エトワール・ガラ」に向けてのリハーサルが本格的にスタートするのは、6月頃。
今回予定されている4演目のなかでも、「早く踊りたい!」とひときわ興奮気味に語るのは『イン・ザ・ナイト』。
「この作品は過去に何度も見ていて、大好きなの。ショパンの音楽にピッタリあった、ロビンズの美しい振付が素晴らしい作品。一緒に踊るパートナーがマチュー(・ガニオ)というのも、うれしいわ」
 ほかにも、「エトワール・ガラ」初参加のオードリック・ベザールとスティーブンソン振付の『3つのプレリュード』を、そして次期オペラ座芸術監督であるバンジャマン・ミルピエが創作した『アモヴェオ』を踊る。クラシック作品は『眠れる森の美女』。ヌレエフ版は初めてなので少々緊張 するとはいうものの、「舞台復帰の喜びの方が断然大きいの!」と、ドロテ。母となりまた新たな輝きをまとった彼女から目が離せない!

©Agathe Poupouney

ドロテ・ジルベール

1995年パリ・オペラ座バレエ学校に入学。
2000年パリ・オペラ座バレエに入団。07年、エトワールに任命される。
幅広いレパートリーを踊りこなし、オペラ座を代表するエトワールとして世界的に活躍している。

©Agathe Poupouney

トップダンサー11人が一堂に会する夢のバレエ公演

「エトワール・ガラ」はバレエの殿堂パリ・オペラ座バレエのエトワールなど、世界の檜舞台で主役を務めるトップダンサー11人が一堂に会する豪華なバレエ公演。自らが一番輝ける演目を選ぶというコンセプトの下に構成された演目には、伝統の美から現代的なメッセージを込めた作品までバレエの魅力を余すところなく堪能できる工夫がいっぱい。貴重な機会をお見逃しなく!

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