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Bunkamura 20周年記念特別企画
コースト・オブ・ユートピア ―ユートピアの岸へ
T部『船出』	U部『難破』	V部『漂着』
VOYAGE	SHIPWRECK	SALVAGE
いつの時代も、人間は〈進歩〉を夢に見続ける──
作=トム・ストッパード 翻訳=広田敦郎 演出=蜷川幸雄
2009年9月12日(土)〜10月4日(日)
Bunkamuraシアターコクーン

実在の登場人物たち

空想社会主義者ゲルツェン、無政府主義者バクーニン、
詩人オガリョーフ、「初恋」の著者ツルゲーネフ
ロシア革命の礎を築いた、歴史上の重要人物たちの夢と苦悩とは──

物語の始まりは、農奴制に支えられるロマノフ王朝専制下の19世紀ロシア。シェリングやカント、ヘーゲルのドイツ哲学に傾倒するモスクワの若き知識人たちはやがて、それぞれに異なる理念や思想を抱きつつ、自由を押さえ込む悪しき専制政治と農奴制の廃止を目指します。
しかし、革命の実現は決して容易いものではなく、理想的な社会を夢に見る彼らは、何度となく挫折や絶望、困難や対立を経験します。人生の意味とは、前進することの目的とは──?
とてつもなく巨大な命題を前に、彼らはどこへ向かうのでしょうか?
「コースト・オブ・ユートピア」のダイナミックなドラマ性、あふれる知的ユーモア、そして誰もが経験する心の揺れ動きは、100年以上を経た21世紀に生きる私たちとも強く呼応し合う、人生の重要な要素にほかありません。

T部 VOYAGE ― 船出 ―

前近代的な農奴制が根強く続いている19世紀ロシア。舞台の中心は名門貴族バクーニン一家の領地。家長のアレクサンドル(瑳川哲朗)と妻ヴァルヴァーラ(麻実れい)の四人の娘たち(リュボーフィ・紺野まひる、ヴァレンカ・京野ことみ、タチヤーナ・美波、アレクサンドラ・高橋真唯)は、長男・ミハイル(勝村政信)の突然の帰還に大喜びする。しかし、仕官学校を勝手に退校したミハイルに両親は怒りを隠せず、深まる親子の断絶。姉妹の自立への憧れが強まると共に、一家はゆるやかに離散へと向かっていく。
一方、新しい思想や哲学に触れた若い知識人たちがミハイルの元に集まってくる。思想家・ゲルツェン(阿部寛)、詩人・オガリョーフ(石丸幹二)、文芸批評家・ベリンスキー(池内博之)、作家志望のツルゲーネフ(別所哲也)、哲学者・スタンケーヴィチ(長谷川博己)・・・。
母国を愛するが故にやがて革命に向かって進む彼らの友情、そして四姉妹や進歩的な考え方を持つバイエル夫人(銀粉蝶)の娘ナタリー(佐藤江梨子)らとの報われない恋の数々が鮮やかに喜劇的に描かれる。

U部 SHIPWRECK ― 難破 ―

ユートピア社会実現の夢に燃え、祖国ロシアから西欧各地へと旅立つ―。
パリに移住したゲルツェン一家の元に集まる仲間たちは、パリから広がった王政打倒の1848年革命に期待を高めたが、その挫折を目の当たりにする。希望を喪失したゲルツェンは、友人であるドイツ人詩人、ヘルヴェーク(松尾敏伸)とその妻エマ(とよた真帆)を迎え、ニースで奇妙な共同生活を始めるが、流行するロマン主義に影響を受けたゲルツェンの妻・ナタリー(水野美紀)は、ヘルヴェークとの情事に走る。
青春の時代が過ぎ去り、生活者となった彼らの理想と現実、そして愛する者との別れ―。全てを失ったゲルツェンは、イギリスへ向かう船上で、無政府主義者となり投獄中のバクーニンの幻を見る。破壊と革命への情熱を説くバクーニンに、「現在の幸福も手配できない我々が、未来の幸福を手配しようというのは思いあがりだ」と語る。
愛と人生を模索しながら、母国・ロシアの迷走を見つめ続ける姿が克明に浮かび上がる。

V部 SALVAGE ― 漂着 ―

失意の底にあったゲルツェンはロンドンに亡命。自宅をヨーロッパ各地で革命に失敗した亡命者たちの社交場として提供し、新しい人脈を得てロシア・ポーランド自由印刷所を立ち上げる。個人の自由こそ絶対的であるべきだと論じた『向こう岸から』のロシア語版を出版。あきらめていた母国語での自著の記念すべき一冊目を、亡妻ナタリーとの息子に熱い想いと共に手渡す。
やがて、盟友オガリョーフと共に大衆誌『鐘』を創刊する一方、オガリョーフの奔放な妻、ナターシャ(栗山千明)との関係を深めていく。
1861年、ついにロシアは農奴解放を実現する。喜びも束の間、不徹底な改革に落胆するゲルツェンは、流刑地から逃亡し、テロを企てる強硬派のバクーニンと決裂。暴力革命に反対するゲルツェンは、次世代の革命家たちに「死人」であると罵られる。
 壮年期を迎えた彼らの胸に去来する、永い間求め続けた、革命の意義、本当の人間の幸福とは・・・。

cast紹介

阿部寛 アレクサンドル・ゲルツェン(思想家)
勝村政信 ミハイル・バクーニン(バクーニン家の長男。革命家)
石丸幹二 ニコライ・オガリョーフ(詩人、ジャーナリスト)
池内博之 ヴィッサリオン・ベリンスキー(文芸批評家)
別所哲也 イワン・ツルゲーネフ(作家)
長谷川博己 ニコライ・スタンケーヴィチ(哲学者)

紺野まひる リュボーフィ(バクーニン家の長女)
京野ことみ ヴァレンカ(バクーニン家の次女)
美波 タチヤーナ(バクーニン家の三女)
高橋真唯 アレクサンドラ(バクーニン家の四女)
佐藤江梨子 ナタリー・バイエル(バイエル夫人の娘)

水野美紀 ナタリー・ゲルツェン(ゲルツェンの妻)
栗山千明 ナターシャ・オガリョーフ(オガリョーフの妻)
とよた真帆 エマ・ヘルヴェーク(ヘルヴェークの妻)

大森博史 ニコライ・ポレヴォーイ(「テレグラフ」誌の編集長)
松尾敏伸 ゲオルク・ヘルヴェーク(急進派のドイツ人詩人)
大石継太 ニコライ・サゾーノフ(ゲルツェンのサークル)
横田栄司 ニコライ・ケッチェル(ゲルツェンのサークル)

銀粉蝶 バイエル夫人/マダム・ハーグ(ゲルツェンの母親)
毬谷友子 メアリー・サザーランド(オガリョーフの愛人)
瑳川哲朗 アレクサンドル・バクーニン(バクーニン家の家長)
麻実れい ヴァルヴァーラ(アレクサンドルの妻)

※上記以外の配役が追加でなされる場合もございます。

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