| 1957年、俳優ヘンリー・フォンダが惚れ込んで製作・出演し、巨匠シドニー・ルメットのデビュー作にもなったのが「十二人の怒れる男」だ。ベルリン国際映画祭金熊賞受賞の他、アカデミー賞作品賞・監督賞・脚色賞にノミネート。劇中、12人の男たちが戦わせるのは言葉のみだが、その議論は、人間という不可解な存在への洞察、人が人を裁くことへの警鐘、そして人間を信じることへの希望を鮮やかに描き出す。 作品の魅力は時を経てなお薄れず、世界中に多くのファンがいる。日本でも筒井康隆や三谷幸喜が、オマージュとも言える作品を創り、2007年にはロシアの映画監督ニキータ・ミハイルコフが設定を現代ロシアに置き換えた映画を製作。数々の映画賞を獲得した。 そして2009年。日本でも「裁判員制度」が始まったこの年、演劇により人間の真実に迫る演出家・蜷川幸雄が、法廷劇の金字塔である今作に挑む。 冒頭、被告である少年にも、「真実」に対しても無関心な陪審員たちは、観客である私たちを移す「鏡」だ。11人は8号の呼びかけから次第に事件と「真実」に向き合い、その心理が変化するドラマティックな時間を、観客はリアルタイムに体験することになる。 中井貴一、筒井道隆、西岡コ馬ほか実力派俳優が居並ぶベストの布陣での舞台。虚と実、嘘と真、罪と罰の境界を往還するスリルと興奮、終幕の圧倒的な感動は蜷川作品史に新たなページを刻む! |






