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Bunkamuraドゥマゴ文学賞

第26回Bunkamuraドゥマゴ文学賞が開催されました

(2016.10.24)

 10月13日(木)、第26回Bunkamuraドゥマゴ文学賞授賞式が執り行われた。
選考委員の亀山郁夫氏により受賞作品に選ばれたのは、中村文則氏の『私の消滅』(2016年6月刊 文藝春秋)。
 『私の消滅』は、ノンフィクションを小説に取り込む、という手法を取り入れて執筆されたある精神科医の復讐の物語。

 授賞式に先立って行われた記念対談では、冒頭に亀山氏が、不確実性の時代が訪れる中で、文学がどうなっていくのかを模索している今、「『私の消滅』という作品は、ことによると突拍子もないヒューマン的なビジョンを提供しているのではないだろうかという直感を持った」と選考理由を述べた。
 一方、受賞者の中村氏からは、自身にとって一番大きな存在であるドストエフスキーという作家の研究者として、日ごろから尊敬している亀山氏からドゥマゴ文学賞を受賞することについて「自分は小説家としてとても幸福」と喜びが語られた。
 また小説を書くにあたって、一番大切にしていることについて問われると、「多数派よりも少数派に立つという覚悟を決めています。多くの人がうなずけるものが世の中にあふれていると絶望的な気持ちになりますから、ベストセラーでは満足できない人に向けて、小説を書いているという意識があります。あと、人間を『悪』という側面から描くことはデビューから続けています。自分の中にあることも含めて、きれいじゃないところを隠さない、という気持ちで描いています」と、思いを語った。
 亀山氏からは『私の消滅』の読後に悪夢を見たことや、それだけこの作品が心の奥深くまで侵入していることに気づかされたエピソードなどが述べられた。
 その後、「AI文学」まで話は展開し、今後の日本の文学界について世代を超えた意見が交換された。

 またその後、開催された贈呈式においては、正賞の賞状、ゼニス社製時計、副賞の目録が贈られた。会場には、昨年Bunkamuraドゥマゴ文学賞を受賞した武田砂鉄氏や多くの作家も出席するなど、華やかな雰囲気の中進行した。

授賞式の模様を動画でご覧いただけます。
こちらからご覧ください。

http://www.bunkamura.co.jp/bungaku/winners/26.html

                    撮影:大久保惠造